【動画】23年度武者修行研修課長版
2023年11月15日
※本ページは、2023年度武者修行研修課長版参加者向けのページです。
(セッション3)
セッション3参加当日までに、以下の事前課題を整理、動画を視聴下さい。
1)事後課題
セッション2で議論した自社課題の解決に向けて、再び議論しながら行動ください。最終日の午後に、各企業の進捗を共有頂きます。
2)事後課題
テーマオーナーに対する戦略提言を作成ください。最終日の午前中に、各チームより宮崎社長に発表頂きます。
3)事後課題
動画を数本準備しています。視聴は任意です。※プレゼンテーションが苦手な方向けの動画です。
プレゼンテーションの基礎 概略
プレゼンテーションの基礎 3つのステップ
プレゼンテーションの基礎 準備
プレゼンテーションの基礎 コンテンツ
プレゼンテーションの基礎 デリバリ
(セッション2)
セッション2参加当日までに、以下の事前課題を整理、動画を視聴下さい。
1)事後課題
セッション1(Day2)で議論した自社課題の解決に向けて、1ヶ月間、何らかの行動を起こしてください。セッション2(Day2)で各企業の進捗を共有頂きます。
2)事後課題
テーマオーナーに対して戦略提言を行う際に必要な資料や情報等を適宜収集してください。また、セッション2(Day1)でテーマオーナーとのセッションで質問の準備を行ってください。
3)事後課題
動画を数本準備しています。視聴は任意です。
(3つのギャップ)
セッション1(Day2)の講義中に共有した「3つのギャップ」の動画です。マネジメントの基礎の動画のシリーズで創った一部です。新規の取り組みを行うための考え方を参考ください。
(事業分析の基礎)
事業分析を行う際に、考え方を整理しています。問題解決の流れに沿って、市場分析、競合分析、自社分析、マクロ分析の流れの後、解決策(戦略)を議論する考え方を示しています。一部、セッション1(Day2)でも概説しています。こちらの動画は、合わせて問題解決の考え方の参考にもなります。
事業分析の基礎(概要)
事業分析の基礎(前提)
事業分析の基礎(問題と課題)
事業分析の基礎(市場顧客)
事業分析の基礎(競合代替)
事業分析の基礎(自社)
事業分析の基礎(マクロ)
事業分析の基礎(解決策)
4)他
セッション1(Day1)で議論した、(無意識)✕(既存)の領域から、(意識)✕(既存)の領域にいくための思考の視覚化、そこから意識的に新規の議論をする概念等について整理した著書です。「コンサルの思考技術」というタイトルでフレームワークの説明と思う方が多いですが、ビジョンを持って行動を継続することの大切さについて、経験則から考えたことを整理しています。
※Amazonのリンクです。参考までに。
(セッション1)
セッション1参加当日までに、以下の事前課題を整理し動画を視聴下さい。
1)「自己紹介シート」の作成
参加者同士の理解を深める目的です。各自自己紹介シートを作成下さい。テンプレートは各社事務局の指示に従って下さい。
2)事前課題「動画視聴」 戦略思考の基礎
自社や他社の課題を抽出する際に参考下さい。経営学等の修士・学位等をお持ちの方は視聴しなくても結構です。
※PWは別途事務局からお知らせがあります。
戦略思考の基礎 戦略思考編
戦略思考の基礎 全社戦略編
戦略思考の基礎 成長戦略編
戦略思考の基礎 基本戦略編
戦略思考の基礎 環境分析編
戦略思考の基礎 戦略立案編
3)「自社紹介と自社の経営課題の整理」 ※各社ごとでまとめる
詳細は、受講ガイドを参考下さい。
ーーー以下、準備中ーーーー
(セッション3)
課長版武者修行研修の参加者は、必要に応じて以下の補足動画を視聴下さい。次回のプレゼンテーションの参考動画です。プレゼンテーションの流れや準備、コンテンツ(中身)の作り方や、発表(配信)の仕方を整理しています。プレゼンテーションに不慣れな方は参照ください。
プレゼンテーションの基礎①概説
プレゼンテーションの基礎②流れ
プレゼンテーションの基礎③準備
プレゼンテーションの基礎④中身
プレゼンテーションの基礎⑤配信
衝動買い合戦
2023年11月15日
早嶋です。
本の検索をWeb上で行い、購入。購入者は自分の購入履歴や他の読者の書評(口コミ)を判断し、次の購買の検索やセレンディピティ的な購入を楽しむ。やがて商品は本から一般的な商品に広がり、ワンクリックで購買できる手軽さから物品購入のゲートウェイとして認知確立された。2024年二にアマゾンは創業30年を迎える。
Youtubeが世の中に出始め、若者含む人口の多くがスマフォにアクセスできるようになり、媒体にも変化がでる。インフルエンサーの動画で商品の認知を得てセレンディピティ的な購入を楽しみ、商品の検索や評価そのものも文章ではなく動画で情報を得る購買行動が定着する。
TikTokに代表されるアプリは、アマゾンの疑わしい口コミや商品のラインナップをよそに、実際のインフルエンサーが直接説明をしていることから購買者はより信頼を持ちヒットしている。そして徐々にインフルエンサーそのものを推し活するなどの行動も現れ、セレンディピティ的な購買も随分と多様化した。
ユーザーの動画視聴履歴から興味がありそうな商品を推薦してライブ配信を行う手法はインタレストコマースなる呼び方が出てくるくらいECサイトでも定着している。しかし商品の充実度や品揃えにはアマゾンになかなか勝てず、年末商戦のブラックフライデーや独身の日では、価格の安さを全面に出し、他社のECサイトの顧客の乗り換え合戦を繰り返す。その手法はクーポン提示だ。最大8割引などを提示し、出品者に対しての送料や値引き原資をECサイト側が負担するという理屈なので、体力勝負の戦いだ。
そんなアマゾンが黙認するはずはなく。23年には米国で1分前後の縦長動画で商品を紹介するインスパイアという機能を追加した。インフルエンサーが投稿でき、一部アマゾンからの報酬も頂ける。思えば、アマゾンのアフェリエイトで稼ぎまくった20年前の若者も今やおじさんおばさん。その方々や今のインフルエンサーが複数の媒体を使って動画によるセレンディピティ的な購買を誘う戦いが始まっている。
ローマは一日にして成らず。アマゾンは顧客網を構築し、更に物流網を構築している。越境ECが安さで売りにしても、ラストイチマイルや国内での物流網の整備はサードパーティに任せることになる。グローバルにECでアプローチ出来ても、最後の物理的なモノのやり取りは拠点での投資が事業の肝になる。アマゾンは中国に2004年頃に進出して自社で物流を組む試みも行ったがアリババ集団などの現地大手に刃が立たず2019年に撤退している。同様に韓国やタイヤでもプライム会員を未だに提供できていない。
ネットワークでつながってもビットは瞬時に運べ分析してコピペでいるが、アトムの世界は思うようにいかないのだ。
新規事業の旅84 ベンチャー企業
2023年11月13日
早嶋です。
ベンチャー投資は、今後成長が見込まれるベンチャー企業に投資をし、上場などを出口戦略として大きなリターンを狙う投資だ。
典型的なベンチャー企業は8年程度を費やして上場を目指す。会社設立は1,000万円程度の資本金ではじめ、6ヶ月程度で事業アイデアをカタチにするための資金を集める。シードステージと呼ばれ、そのアイデアに対して企業価値5億を想定して1億程度の資金を調達する。その資金で1年程度で実際のアイデアを実現するプロトタイプを作り出す。
次に、起業から1.5年程度で、プロトタイプの商品を実際に販売して自分たちが立案するビジネスモデルを確立するフェーズに移る。いわゆるアーリーステージと呼ばれ、この頃の資金調達では企業価値30億円程度を見込み、5億程度の資金を調達して1.5年分の運転資金に充てる。このフェーズは、テストマーケティングを繰り返しながら、ビジネスモデルが成立することをカタチにする大切なフェーズだ。
設立から3年程度の資金調達のフェーズでは、確立したビジネスモデルで市場シェア1位とか2位を獲得するフェーズだ。ミドルステージと呼ばれ、この頃の資金調達は企業価値50億円相当で8億程度の資金を調達する。そして、その資金を1年程度の運転資金に充て、サービスの認知と営業やマーケティングを加速する。事業によっては海外への展開もスタートする。
この間でイメージ通りの流れになれば、徐々に赤字の状態を解消して黒字化するフェーズに移行する。調達した資金を燃やすのではなく、株式上場に向けて4年程度位の期間を費やして収益を出し始めるのだ。そして時価総額150億円程度で約8年程度の期間をかけて上場するのだ。そして最後はレイトステージと呼ばれる。
ベンチャー企業と中小企業の違いは赤字で沈み込んでジャンプする様だ。ベンチャー企業は、起業してから利益や出資金を全て事業投資に注ぎ込む。プロダクトを作り、テストマーケを行い、徹底的に営業や宣伝にお金を費やし仕組みを創るのだ。この間の赤字を上場する前の4年程度で黒字化して一気に利益体質の企業に変えていくのだ。
(過去の記事)
過去の「新規事業の旅」はこちらをクリックして参照ください。
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「コンサルの思考技術」
「実践『ジョブ理論』」
「M&A実務のプロセスとポイント」
今、求められるフォロワーシップ
2023年11月2日
高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。
今回のテーマは「今、求められるフォロワーシップ」です。前回までのチームマネジメントに関連し、チームに欠かせないフォロワーについて解説します。
まずフォロワーシップについて、確認しましょう。
フォロワーシップとは、「チームの成果を最大化させるために、自律的かつ主体的にリーダーや他メンバーに働きかけ支援すること」と定義しています。自律的かつ主体的という点が重要です。リーダーからの指示・命令で動くことに加えて、チームのゴールを理解してチームに価値を生じさせるように自ら積極的に関与することが求められています。
フォロワーはリーダーを支えるポジションなので、サブリーダー的な方、例えば課長に対して係長のような方だけの役割と思われるかもしれませんが、そうではありません。チームメンバー全員に求められる役割であり能力です。フォロワーシップが求められる背景は大きく2点あります。
1点目は、リーダーを支えチームを導く存在の必要性がますます増している時代背景です。昨今のビジネス環境は目まぐるしく変化しています。コロナ禍を経て世界が一変したように激変の時代といえる今、企業は変化に合わせてスピードと柔軟性が求められています。そのような中、リーダー1人の意思決定が、必ずしも社会や顧客のニーズに適応するとは限りません。リーダーの意思決定に関して積極的に関与し、時には建設的に批判することが必要なのです。
2点目は、チームが出す結果の9割はメンバーの影響によるものだからです。チームが出す結果に対して「リーダー」が及ぼす影響力は10%~20%程度なのに対し、メンバーが及ぼす影響力は80%~90%にのぼることが分かっています。よってメンバーには自律的かつ主体的に、責任を持って担当業務以上の仕事に関与することが求められます。
ちなみに、先ほど述べた建設的に批判する考え方をクリティカルシンキングと言います。クリティカルシンキングとは日本語では「批判的思考」と訳されるので、否定的なモノの考え方や捉え方と誤解される方もおられるかもしれませんが、物事や情報を無批判に受け入れるのではなく多様な角度から検討し、論理的・客観的に理解することを言います。リーダーの意見や指示に対して、「本当にそうなのかな?」とか「他にはないのかな?」「もっと良い方法はないのかな?」と考えます。激変の時代なので、前に上手くいった方法が今回も通用するとは限りません。いくら優れたリーダーであっても100%正しいとは言い切れないからこそ、建設的で批判的なモノの見方、クリティカルシンキングが必要なのです。
リーダーとフォロワーの連携は、リーダーがビジョンを示しフォロワーがそれを実行に落とし込むことです。リーダーが示したビジョンをフォロワーが具体的な行動計画に落とし込み、当事者として業務を遂行する、もしくは他のメンバーに働きかけ実行させます。
そして、リーダーの役割が「意思決定する」ことなら、フォロワーの役割は「健全な批判をする」ことです。リーダーのビジョンや意思決定に誤りがあると感じた場合は、フォロワーがリーダーに率直に提言を行います。
次回はフォローシップを実践するためのポイントなどをご紹介します。
営業プロセス、営業研修、人材育成、セールスコーチなどをご検討の経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。
回復力
2023年11月2日
安藤です。
今回のテーマは、「回復力」についてです。
仕事でのプレッシャー、対人関係の人間関係、例としては、過去のパワハラなどがトラウマになって、また、失敗したらどうしようと反芻してしまう等。また、退職、転職、異動など、職場環境の変化に慣れずにストレス負荷になっている状態から、なかなか抜けきれないことがあります。
回復力は、「レジリエンス力」とも言われています。
さまざまな人生の局面で転機を乗り越える対処法として、「シュロスバーグの4Sモデル」があります。
逆境に対処する際に役立つのが、レジリエンスです。
まず、シュロスバーグが提唱する4Sとは何かについて説明をいたします。
ステップ1: 状況を理解する (Situation) 逆境の状況について、具体的・客観的に何が起きているのか、それを自分はどう捉えているか、原因は何か、いつまで続くものかなどを分析する。→ 客観的視点
ステップ2: 自分自身を知る (Self)
この状況に対する自分の気持ちや反応を理解し、受けいれ、自分自身はどうしたいと思っているのか、自分のスキルや過去の経験が活かせるかなども見直す。→ 感情・気持ち
ステップ3: 支援を求める(Support) ひとりで抱え込まない。どこでどのような支援が得られるのかを調査する。同僚・上司(信頼おける人)・身近な人に具体的なサポートを求める。
ステップ4: 戦略を立てる (Strategies)
ステップ 1~3 で見つけた状況・自分自身・支援を使って、状況を変える・自分の気持ちを切り変える・ストレスを減らすなど様々な面からこの逆境を乗り越えるための戦略を立てる
レジリエンス力(回復力)自分にとっての逆境や試練から立ち直る心の力のことです。一旦、置かれている状況から感情面において離れてみて、客観的・俯瞰的に自身の状況を見直すことが必須となります。
他、レジリエンス力は、「自尊心」「自己効力感」「感情調節」「現実的楽観性」「人間関係」の5つがポイントです。
①自尊心:自分を大切にする力、ありのままの自分を肯定する力。
②自己効力感:「やればできる」と思える力。
③感情調節:自分の気持ちに気づき、対応する力。
④現実的楽観性:出来事をバランスよく見る力。
⑤人間関係:誰かを助け、誰かに助けられるつながりの力。
よって、逆境から抜け出す時には、更に、①~⑤の項目の中で、どの項目が現時点で課題になっているのか、自身で分析する、または、上司または信頼できる方から分析してもらうことをおすすめいたします。
新規事業の旅83 ペット保険にAmazon参入
2023年11月2日
早嶋です。
Amazonがペット用の保険に参入する。11月1日より申込が始まる。商品は「わんにゃん保険」。現時点でAmazonで検索しても出てこないので、報道の通り、初期はテストマーケティングをしている。曰く、18歳以上のアカウントで申込を無作為に抽出して一部の消費者に提供して、本格的に12月の中旬頃よりサービスを展開するという。
ペット保険の市場規模は1,000億円程度とされ、各社の保険商材をみると5歳の小型犬で2,500円から5,000円の月額課金だ。ペット保険に参入する企業は20社程度あり、最王手はアニコムHD。
国内で飼育されているペットは犬猫合わせて1500万から2,000万匹とされ、新型コロナウィルス禍で21年のペット(犬猫)の新規飼育頭数は過去最大の88万匹強が増えている。1,000億程度の保険市場も数年前は500億円規模だったので、規模自体は小さいにも関わらず成長事業になっている。
直近の動きでは、
・22年7月にチューリッヒが少額短期でペット保険の販売を開始
・23年1月にアフラックがグループ内のペット保険を引継ぎ営業開始
・23年3月第一生命がペット保険のアイペットHDを子会社化
・23年3月東京海上日動がアニコムHDと資本提携
・23年4月オリックスがペットメディカルサポートの保険を販売開始
等々、各社の動きが活発だ。ただ、人間を相手にした市場規模と比較して遥かに小さく、大手に取って手間がかかる割には収益の貢献度は低い業界だ。それでも人間の保険商材が縮小し、ペットを通じて飼い主や家族との接点を取る動きを重視するのだろう。
生保協会の発表では、22年3月末での人様の保険等収入の規模は32兆円。コロナ前の19年と比較して1割程度減少している。各社の経営は苦しくなり、より合従連衡が進み淘汰されることも予測できる。
一方で、新規参入の中小にとってはニッチではあるがそこそこ規模が大きい。ただ、自社の商材を知って頂くためのプロモーションコストが高くなかなか収益を出せないというのが現状だったと思う。
そこにAmazon。飼い主の多くは、Amazonでペット関連のグッツを買っているであろう。そこに対してペット保険を提案できるのだ。しかも過去の購買履歴からペットのサイズ、ペットへの愛情、ペットの年齢などを推定するのも用意だ。Amazonがペット保険の代理業務を始めれば、一定数の販売シェアを獲得する可能性が高いことが他人の目から見てもわかる。
ペット業界や保険業界からすると、Amazonの動きがただただきになるのではないか。そのうち、本丸の人様の領域にも入ってくれば、保険商材の提案も大きくかわるかもしれない。
(過去の記事)
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「コンサルの思考技術」
「実践『ジョブ理論』」
「M&A実務のプロセスとポイント」
【動画】イノベーション研修
2023年10月30日
※本動画はQTnet様のイノベーション研修に参加される方向けのページです。
Day1の参加日当日迄に、以下のイノベーションの基礎シリーズ3本の動画を視聴ください。
イノベーションの基礎 概要33分
イノベーションの基礎 開発42分
イノベーションの基礎 普及43分
新規事業の旅82 バックキャスティング
2023年10月26日
早嶋です。
2024年問題。企業の中で様々な動きがあるなか、ユニ・チャームは商品の包装を更に工夫することで輸送効率を高める取り組みをしている。26日の日経新聞によると、大人用の紙おむつで、従来よりもパッケージの幅を12から13%圧縮したという。この改善でトラックで運搬する場合、搬出できる商品の従来比で1割以上増やすことができる。
おむつは不織布とウエストのゴム、それらを接着する接着剤で構成される。今回の小型化には、超音波を使って熱を発生させ接着剤を使わずに不織布とゴムを接着する技術を新たに採用したという。
この取り組みは、欧州で進められている循環型経済に対しての準備にもなると筆者は考える。欧州では2030年に向けて多くの商品(プラ、アルミ、ガラス等の商品や容器など)の完全循環を目指すという方針だ。接着剤などは、リサイクルする際の分別や回収が非常に手間になるので、ここの見直しを5年以上先をめがけて企業は取り組む必要があると思う。さもなければ欧州で売ることができないからだ。
ユニ・チャームが2024年問題を重視して取り組んだのか、そのさきの2030年の循環型経済を考えて取り組んだかは不明だが、企業として5年10年で世の中を予測してそのヘッジをしていることは間違いない。そんなに簡単に実現できる技術では無いからだ。考えて見ると、運送の問題で2024年問題などと言われているが、マクロ状況を見ていて少し先に労働人口が減ることは誰でもわかることだ。
このような手法はバックキャスティングと言われ、確実に起こりうる将来や可能性を考えて、今から手を打つ取り組みや手法だ。が、世の中、そんなにお利口さんではなく、目の前の仕事に追われていて時間が来ればなんとななると思っている思考がまん延しているようにも感じる。M&Aの世界でも跡継ぎ問題、後継者問題と称されるが、なんてことはない。経営者の想像力の欠如で、20年先の出口戦略を考えずに準備をしていないだけなのだ。
(過去の記事)
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新規事業の旅81 部下の視野と視点の狭さはあなたの鏡
2023年10月25日
早嶋です。
経営者やトップマネジメントは、自分たちの部下や社員に対して「視野が狭い、視点が低い」などと口にする。しかし、その根本は日常の自分たちのマネジメントが作り出した結果であることを理解すべきだ。
戦略の教科書の始めの項には、大抵ミッションとビジョンと事業計画の関係が記されている。戦略立案の際に、ミッションを確認し、その達成に向けたビジョンを整理することと。ミッションは企業の中で普遍であり、抽象度は高いが社会的な使命や企業の存在意義を示す。ビジョンは、その達成の経過地点を示すもので3年から5年先、あるいは100周年や2030年など、切りの良い時間軸で、定量的な目標を示すことが多い。売上や利益、事業ごとの内訳やシェアなどだ。
そしてビジョンを達成するために事業計画や中期経営計画を練り込み、この計画を基に事業年度の行動を規定していくのだ。
が、「視野が狭い社員が多い!」とボヤキが聞こえる企業になればなるほど、トップマネジメントや一部の管理職しか事業計画の中身を知らない。中間管理職以下社員は、事業計画を理解せずに、従来の延長で仕事に取り組んでいるのだ。
そして管理職が実は経営計画の理解不足であったり、戦略の理解ができておらず、結果部下に対してコミュニケーションが取れていない場合もあるのだ。自分が理解していないから部下や現場にも伝えることができないのだ。また、「伝えている!」という場合も、実際は経営計画などのダイジェスト版を掲示しただけとか、回覧板で回したなど、間接的なコミュニケーションに頼り、しかも部下の理解度を確認することもしないのだ。
視野を広く、視点を高くするためには、限られた仕事の流れ、つまりバリューチェーンの一部の仕事に邁進する社員に対して時折、教育が必要だ。OJTやOFFJTを活用し、自分たちの事業モデルがどのような背景で成り立ち、自分たちの部署が、全体のビジネスモデルの中のどの部分を担っているかを定期的に共有するのだ。社員がおのずから会社の全体像を知る行動に出るなど稀なのだから。
時間軸に対しても同様だ。社員は評価が四半期毎のノルマの達成など、短いスパンに限定されていることが多い。そのためマネジメントは、期のはじめや節目節目に、会社が見ているビジョンを達成した状況を社員に自分の言葉で語りかけることが大切だ。実際に、具体的なイメージは社員の想像力を掻き立てることになるし、イメージが明確であれば、現状と比較した場合の問題も明らかになって来る。
そして管理職の役割は、まさに将来を創ることだと意識しなければならない。過去の仕事をするのではなく、将来の在りたい姿に近づくための行動を取り、時折社員を巻き込むことに意味があるのだ。
このようなトップの基で数年育った社員は、自ずと全社、少なくとも事業部全体のことを考えた上で、今の任務をこなす視点になるのだ。しかも短期的な成果に加えて、常に事業計画で示された年度や少し先の将来の事業を捉える考えも持つようになる。
起業して間もない頃、ソフトバンクアカデミーで戦略の講師を務めていた。当時の孫さんは100年先を当たり前に見ていた。そのため勉強会に参加していた部長職は30年先を普通に語り、課長職は10年と時間軸が短くなるものの、他の企業と比較した場合の時間軸の長さは歴然だった。上述した考えを当時から体現していたのだ。
マネジメントが自分の部下や仲間に対して視野を広げ、視点を上げるコミュニケーションや教育なしに、「視野が狭い、視点が低い」というのは、自分自身に責任があると言わざるを得ないと理解できただろう。
(過去の記事)
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新規事業の旅80 業務提携と資本提携
2023年10月17日
早嶋です。
(前回(ゼロイチとM&A)までの確認)
例えば、企業の売上が70億で、数年後に100億を達成するという挑戦的な目標を掲げた企業があるとする。既存の事業が複数あり70億の売上を達成しているが、稼ぎ頭の事業は既に成熟期を迎えている。通常は、事業を継続させるのも難しい局面だ。
ここに対して、不足する売上をM&Aで賄おうとしても、結論から言えば、そのような案件が売りに出ていること自体が極めて稀である。仮に買収することが出来たとしても、その事業をマネジメントすることが難しく、買収した時の企業価値が最高値で減損する結果になることも多く観察できる。特に新規エリアでM&Aを行えば、事業会社から買収企業をマネジメントできる人材も限られており、戦略的なシナジーを出すことは非常に稀だ。
企業は、ミッションやビジョンの実現のために成長を選択するし、成長をあきらめる企業は衰退する以外ない。しかし常に新規事業を自助努力だけで行うゼロイチだけでは実現は難しいため、外部リソースを取り入れて成長を目指すM&Aも必要だ。既存事業の売上を増やす目的であればシナジーが読みやすく買収前調査のリスクも許容できる。しかし新規事業となると、実際は困難を相当伴う覚悟も必要なのだ。
基本は、自社の成長の方向性を議論して整理する。現状と在りたい姿のギャップを確認する。その不足する経営資源は、時間なのか、ノウハウなのか、経験なのか、販路なのか、何らかの技術なのか。兎に角、不足するギャップを徹底的に整理して可視化し具体化することが重要だ。ゼロイチか、M&Aかなどは手段であり、目的が不明確な企業は案外と多いのだ。当然、他の方向性でギャップを埋める手段として提携や出資も見えてくるだろう。
(業務提携)
在りたい姿に対して、現状とのギャップが整理できれば、それをどのように埋めるかが論点になる。自社でやるか、他社でやるかだ。その過程において、3つ目の選択肢が業務提携や資本提携だ。
業務提携とは、企業同士が業務内容について提携することを指す。生産提携、技術提携、共同開発、販売提携などだ。2社以上の企業が契約によって対象とする業務で協力しあうのだ。
生産提携などは、従来製造したことが無い製品を、工場や機械投資、そしてノウハウを蓄積することなく、既に製造が可能な企業と提携して製造することが可能になる。
技術提携などは、特許や知財などの利用を互いに許諾してクロスライセンスを結んだり、他のノウハウなどを互いに提供したりする。通常、特許で公開した技術以外は、企業機密で内容が企業の外に出ることはない。そのようなノウハウを共通の目的を持ち互いに利用できるようにするのだ。
共同開発は、技術や人材を互いに提供し合い、何らかの研究を共同で行う。研究は足が長い作業で、時間や資本をかけたところで必ず商品化されるものではない。そのため、2社以上が集まって巨力しあうことで、開発のスピードを高め、リスクを分散することができる。
販売提携は、提携する企業が互いに販売ルートを共有して、販路を拡大する際に活用される。販路があるということは、過去の営業活動と蓄積した信用があるため、新規に販売ルートを開発して新たな商品を提案するよりもはるかにコスト(お金、時間、苦労等)を下げることが可能だ。
以上、自社の不足するギャップが明確になっている場合は、提携する企業を見つけて、解消できないかを考えるのも必要なオプションだ。提携は互いに組むことでスケールメリットやシナジー効果が生み出せるのであれば検討しない手はないオプションとなる。
(資本提携)
業務提携は、事業の一部を共同で行うが、利益配分の仕方については明確に事細かく約束をしておかなければ紛争になる可能性もある。また、業務提携は情報や技術を一部共有して取り組むため、両社の関係が良好であることが前提だ。しかし関係が悪化した場合、既に共有された情報や技術は元に戻すことは出来ない。都合が悪いこともあるのだ。
そこで資本関係を結ぶことで、業務提携という単なる契約関係よりもより強固な関係性を構築する方法が資本提携だ。資本提携は2社以上の企業が互いに業務面や資金面で協力し提携関係を構築する手法だ。一方の企業が提携先の企業の株式を取得する、或はそれぞれの企業が株式を持ち寄り、提携関係を構築する。
新規事業を開発したい企業は、通常業歴が長く一般的な信用はベンチャーよりはるきあに強い。また、販路や販売後のフォロー体制など歴史とともに形成される資産を多数保有する。一方、ベンチャー企業や中小企業は、何らかの技術開発や新商品を有していたとしても、販売力や製造力、場合によっては販売後のフォロー体制が脆弱な場合ががあるなど、大企業と大きく異なる。
このように何らかの経営に問題を抱える企業にとっては、資本提携の形式で出資を受けることで与信が高まり、自社のボトルネックを解消することにつながる場合もあるのだ。
資本提携では、ある企業が他の企業に(あるいは互いに)出資し、互いの独立性は保たれる。具体的には、資本を受け入れる側の企業が資本を出す側の企業に対して第三者割当による新株発行などを行い、一定数の株式を与える。新株発行により、一方が他方の株式の1/3を超える株式を取得すると、株主総会の特別決議(定款変更、事業譲渡、合弁の承認等、会社経営の重要な決定について要求される)の拒否権が生まれる。この場合、買収(子会社化)されたのと変わらないため、業務資本提携の場合は、双方の独立性を保つために株式比率を1/3未満に設定する。
(メリット)
資本提携の目的は、双方の企業の支援にある。互いに強固な関係を結びながら、販路拡大や製造、場合によっては商品開発などを進めることができる。出資する側は、自社にないノウハウを獲得し、実際に新規事業に結び付けることができるか小さく実験できるのだ。
仮に、M&Aで一気に買収した場合は、経営権は獲得できるが、買収前の調査で検討した以上に事業統合が上手くいかない、実際に想定した新規事業のシナジーが得られない場合もある。一方、資本提携の場合、1/3以下の株式取得で進めるため、M&Aと比較すると出資金は少なく、実務を通じてシナジーを確認することが可能だ。大型の案件を進めるには不安だが、提携より強い関係を構築したい場合は、最良の選択肢となるのだ。
更に、資本提携をすすめながら、実際にシナジーを出す過程で、よりその事業に対しての資金需要が高まった場合、交渉をしながら優先的に追加出資をするなど、徐々に出資割合を高めて、子会社にしていくことも検討可能だ。
なにより、M&Aの場合は、買収前調査はあくまで紙ベースの判断になるが、少額でも出資して、人材を派遣するなどして、業務を取り組むことで、出資先の企業の状況を実業務ベースで半年から1年かけて入念に調査することもできるのだ。
(まとめ)
新規事業を始める際のオプションとして、ゼロイチとM&Aに加えて、提携や資本提携を同時に検討することが大切だ。一方で、事業会社の多くは資本政策に関連する業務は少なく経験も乏しい。積極的にアドバイザーや経験者を雇用して、自社の新規事業開発にも幅広い視点で臨む覚悟が経営者には求められるのだ。
(過去の記事)
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実践「ジョブ理論」
「M&A実務のプロセスとポイント<第2版>」
「ドラッカーが教える問題解決のセオリー」
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