早嶋です。約1500字です。
なにか新しいことを始めるときは、まずそのゴールイメージを持つこと。次に、取り組みの骨子を整理し、実際の行動に落とし込んでいく。最初の一歩は小さくていい。慣れていなければなおさら、小さく始めてあたりを付ける。必要に応じて修正・アップデートを繰り返しながら進めていく。コツコツと、そして柔軟に。ゴールイメージに向かって、仲間と共にその姿を思い描きながら、徹底して取り組む。
「新しいこと」は、初めての人にとっては確かに新しい。でも、今日が1日目であれば、明日には“経験者”になる。この姿勢で取り組み続けると、1ヶ月後には「1ヶ月やってきた人」になる。3ヶ月、半年、1年と継続していく中で、業界構造やビジネスモデルの輪郭が見えてくる。関係者とのネットワークも自然と形成されていく。
そして1年前の自分と比べたとき、確実に“経験者”になっているのだ。これは誰がどう見ても正論で、当たり前のこと。だけど、いざ新しいことに直面すると「自分にはできない」と思い込んでしまいがちだ。
でも本当に大切なのは、「行動すること」だと思う。最初に描いたアイデアを実際に試してみて、修正を重ねるうちに、全く違う形の事業として成果が出る。そんなことは、よくある話だ。アイデアは最初は曖昧で、確度も低い。でも行動を通じて、それが少しずつ“形”になっていく。だから、行動して試行錯誤を繰り返せる人は強い。
こうした取り組みを、ジャンルやレベルを問わずいくつもやっていくと、「可能性」に敏感になる。ただ闇雲に動くわけじゃない。知らない領域でも、徹底的に調べ、一定の方向性を描く。その時々の判断で、もっとも合理的だと思える選択肢を取りながら、行動し続ける。判断基準を持っているからこそ、行動の結果を定期的に測り、検証することができる。もし違っていたなら、前提や仮説を見直し、次の行動をブラッシュアップする。こうなると、「失敗」という概念は「成功へのプロセス」に変わっていく。
情報収集に“完璧”はない。限られた時間の中で、集められるだけの情報を整理する。時間は有限だから、ダラダラと調べ続けない。時間を決めて、集めた資料を読み込む。過去の事例、類似の事例、少し分野は違っても似た構造のケース。実体験できるなら、一次情報を得る目的でトライする。この繰り返しで、情報感度が高まっていく。そしてたいていの場合、「合理的に考えると、AかBだな。ならAだ」と迷いが少なくなる。もしAかBで悩むなら、どっちでもいい。どちらかを始めてみれば、答えは動きながら見えてくる。
新しいことを立ち上げ続ける人は、ときに「考えがコロコロ変わる」と見られることがある。でも、遠くから全体を見れば、最初に描いたゴールイメージは変わっていない。変わっているのは“進め方”や“アプローチ”だけ。本人にとっては、実証やリサーチの結果、プランBの方が良いと判断したから切り替えただけなのだ。
つまり、新しい取り組みでは、まず「向かう方向」を決める。そして骨子を整理し、そこに至るシナリオを構築する。そのシナリオを、行動に落とし込む。特別なテクニックやノウハウなんて必要ない。これは、誰でも確実にできるやり方だ。アイデアそのものには、実はあまり価値がない。特許や権利で守られていれば別だが、実行されていないアイデアは“存在しない”に等しい。本当に大事なのは、そのアイデアを「形にする行動」そのもの。だからこそ、「何をやるか」を一通り議論したあとは、「どうやるか」を試しながら修正していく力こそが、問われるのだ。