早嶋です。
新規事業を行う際に、マクロ分析とミクロ分析の視点で過去から現在、そして現在から将来に起こり得る可能性を整理する。マクロ分析ではPEST分析のフレームを使い、ミクロ分析では3Cを切り口に整理することで短時間で一定の情報を網羅して整理することができる。
では、自治体などが自分たちの地域を盛り上げるためには、どのような視点を盛り込むとよいだろうか。ポイントは、企業における自社を地域固有の特性や資源と解釈し、競合を近隣地域や隣接する自治体として置き換えることだ。
(ミクロの視点)
ビジネスでは自社・関係会社、市場・顧客、競合・代替品などの視点で分析するが、この視点を次のように置き換えて分析すると良い。
●自然・文化資源
– 自然景観として、山、川、海、湖、温泉、洞窟などの自然環境を確認する
– 歴史や文化や風習として、そのエリアの歴史、歴史的な建築や史跡、伝統的な祭りや祭事、子守唄に代表されるような歌、独特の言葉や言い回しを含む方言
– 食文化として、食事や産物や名物
– 技術・技能:として、伝統工芸や地元の特有の技術
– 地域住民として、地元のリーダーやアクティビスト、ボランティア団体や地域特有の活動
●地域経済
– 主要産業として、 農業、漁業、商業、工業、観光業、製造業など地域経済の視点
– 上記に付随するデータで、雇用状況、地元の雇用機会や失業率
– 近隣エリアとの経済関連性や昼夜の人口動態や休祝日の人口動態
●地理的優位性やインフラ
– 立地条件や主要な交通インフラ
– 公共交通期間、通信インフラ、文化施設やスポーツ施設、会議場などの公共施設
– 広場や公演、競技場などの施設
– 公共サービスとして、教育機関、医療機関、福祉サービス
– 近隣エリアからの利便性や流通経路の確認
●政治や行政
– 政治や法律として、地方自治体の施設や助成金の状況
– 規制環境として、観光、商業、工業、農業、教育等に関連する法規制
– 環境保護や自然保護などの規制
●経済
– 経済トレンドとして、地域や広域エリア、国内外の経済動向、観光トレンド
上記をPEST分析や3C分析の要領でブレスト、分析、書き出しをしてSWOTの視点で整理することで、
– 強みとして、 地域の独自性や競争優位性が整理される
– 弱みとして、 課題や改善が必要な点が整理される
– 機会として、 成長のチャンスや新しい取り組みが整理される
– 脅威として、外部からのリスクや競争圧力が整理される
(過去の記事)
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