高橋です。
私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、毎回お伝えしています。
今回のテーマは「今、求められるフォロワーシップ」です。前回までのチームマネジメントに関連し、チームに欠かせないフォロワーについて解説します。
まずフォロワーシップについて、確認しましょう。
フォロワーシップとは、「チームの成果を最大化させるために、自律的かつ主体的にリーダーや他メンバーに働きかけ支援すること」と定義しています。自律的かつ主体的という点が重要です。リーダーからの指示・命令で動くことに加えて、チームのゴールを理解してチームに価値を生じさせるように自ら積極的に関与することが求められています。
フォロワーはリーダーを支えるポジションなので、サブリーダー的な方、例えば課長に対して係長のような方だけの役割と思われるかもしれませんが、そうではありません。チームメンバー全員に求められる役割であり能力です。フォロワーシップが求められる背景は大きく2点あります。
1点目は、リーダーを支えチームを導く存在の必要性がますます増している時代背景です。昨今のビジネス環境は目まぐるしく変化しています。コロナ禍を経て世界が一変したように激変の時代といえる今、企業は変化に合わせてスピードと柔軟性が求められています。そのような中、リーダー1人の意思決定が、必ずしも社会や顧客のニーズに適応するとは限りません。リーダーの意思決定に関して積極的に関与し、時には建設的に批判することが必要なのです。
2点目は、チームが出す結果の9割はメンバーの影響によるものだからです。チームが出す結果に対して「リーダー」が及ぼす影響力は10%~20%程度なのに対し、メンバーが及ぼす影響力は80%~90%にのぼることが分かっています。よってメンバーには自律的かつ主体的に、責任を持って担当業務以上の仕事に関与することが求められます。
ちなみに、先ほど述べた建設的に批判する考え方をクリティカルシンキングと言います。クリティカルシンキングとは日本語では「批判的思考」と訳されるので、否定的なモノの考え方や捉え方と誤解される方もおられるかもしれませんが、物事や情報を無批判に受け入れるのではなく多様な角度から検討し、論理的・客観的に理解することを言います。リーダーの意見や指示に対して、「本当にそうなのかな?」とか「他にはないのかな?」「もっと良い方法はないのかな?」と考えます。激変の時代なので、前に上手くいった方法が今回も通用するとは限りません。いくら優れたリーダーであっても100%正しいとは言い切れないからこそ、建設的で批判的なモノの見方、クリティカルシンキングが必要なのです。
リーダーとフォロワーの連携は、リーダーがビジョンを示しフォロワーがそれを実行に落とし込むことです。リーダーが示したビジョンをフォロワーが具体的な行動計画に落とし込み、当事者として業務を遂行する、もしくは他のメンバーに働きかけ実行させます。
そして、リーダーの役割が「意思決定する」ことなら、フォロワーの役割は「健全な批判をする」ことです。リーダーのビジョンや意思決定に誤りがあると感じた場合は、フォロワーがリーダーに率直に提言を行います。
次回はフォローシップを実践するためのポイントなどをご紹介します。
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