早嶋です。
新しい取り組みに関わらず、失敗することは多々ある。毎回、その法則を理解し整理することは困難だが、共通する枠組みはいくつか見いだせる。保身に走った場合だ。何かの取組を2人以上のチームで行うときの前提は、その2人以上のチームが共通の目的を持ち、取り組む意義を理解して、互いにその取組に対して貢献する気持ちが高いときは上手くいく。例え、初動や途中の状況は芳しく無くても、徐々に継続する中で成果が出てくる。
一方で、自分のコトしか考えなくなり、何か都合が悪くなる時に、相手のことよりも、自分の地位や名誉や報酬のことを先に考えるようになった場合は上手く行きにくい。短期的には成果は出ると思うが、中長期的には関係性が悪くなり、長続きしないのだ。
保身に走る場合は、自分を中心に考えるので、どうしても視野が狭くなるのだろう。一方で、相手のことを慮って考える場合、100%相手を理解できないことを知っている。だからこそ、常に互いの状況を確認し合うので疑心暗鬼も生まれない。自分の保身ばかりを考えると、人の脳は鏡の用で、相手も同じ思考に陥ってると勘違いして、更に相手を疑う要素が生まれるのだ。
ここから分かることはチームづくりにおいての相性だ。18年位、色々な事業やプロジェクトを行っている中で、私が長続きしている仲間は、皆一様に違いのことを慮っている。当然に人によって態度やコミュニケーションの頻度や手法は異なるが、自分の都合だけで取り組む人は、その場限りか、徐々に関係性が薄れていく。チームの特徴は、互いの強みをいかし、互いの弱みを補うことにある。ただ、これだけの特徴だけだと1+1=2となり、大した結果は得られない。チームの最もの醍醐味は足し算の結果が2を超えることだ。そして、どちらかが自己都合しか考えなくなると、足し算の結果は2よりも少なくなる。場合によってはマイナス二なることだって考えられる。
たとえば、新しい取組をする際に、一緒にそのチームと同じ時間を過ごすことをおすすめする。いきなり意気投合して、チームを作り、互いに出資をして事業をスタートするのも良いが、事業プランを練る等、寝食を共にする時間を共有するのだ。その中で、互いの貢献度や価値観や互いを思いやる気持ち、プロジェクトに貢献する意志の強さなどが確認できるだろう。そして、その瞬間で違和感を強く感じたら、そのチームは短期的には上手くいったとしても、長続きはしない。初期の利益の配分で喧嘩になるのが関の山なのだ。
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