安藤(公認心理師)です。
今回は、「5月病の予防対策」です。
ゴールデンウイークが近づいてきました。 ゴールデンウイークが明けると、やる気がでない、出社したくないといったメンタル不調でカウンセリングを受ける方も増えてきます。いわば『五月病』といわれています。
新入社員の場合は、入社前と入社してみたら描いていたイメージと現実が違うというギャップに戸惑う、苦しむ『リアリティ・ショック』の状態に陥っています。観察していたら、表情、態度、行動面に表れています。そのままケアーをしないでいると、休職・離職にもつながっていきます。
五月病は、リアリティ・ショックの状態が多くあります。その場合は、カウンセリング時には、『適応障害』と診断されて面談にこられる方が多いです。詳しく、リアリティ・ショックを説明すると、思い描いていたことと現実が乖離していたと感じたときの心の動きを指す言葉です。1985年にアメリカの組織心理学者・E.C.ヒューズが提唱しました。
4月に入社した新入社員が1カ月を過ごし、入社前に描いていたイメージと実際の仕事との乖離によってリアリティ・ショックを受け、GWをはさんで、仕事を続けられなくなるケースが発生します。
そこで、企業としては、メンタル不調の状態の社員の早期発見・対処法が必要となってきます。
まずは、どのようなリアリティ・ショックを受けているかと把握することです。新入社員に興味・関心をもって態度・姿勢・行動面(遅刻、言葉数が減った他)の変化を観察することです。その変化に気づいたら、すぐに
“声かけ” をおすすめします。上司に素直に自己開示をしてくれるのは日ごろの関係性にも影響してきますので、入社してからの “挨拶” は必須です。 次に、”1対1” の面談です。リアリティ・ショックは業務内容だけでなく、同僚や上司との人間関係、企業風土などが考えられます。
最近の事例では、ジェンダ問題もあります。男性社員は名前で呼ばれるが、女性社員は名前を呼ばれないなどもありました。名前を呼ばれないということは、一人の人間として、承認されていないとう心理に陥ります。職場風土として、男性優位な職場であり、チームで仕事をする場合も上司から男性社員には指示があるが、女性社員には指示がない等、そのようなことが重なり自己肯定感が低くなり、本来なら、報告・連絡・相談が必須ですが、それができなくなりミスが増えメンタル不調になったりすることもあります。
前回の投稿にも記載しておりますが、新入社員の方は、まずは、新しい環境の中で馴染んでいくのに時間はかかるかと思いますが、良い生活習慣を続けること(睡眠・食事・運動)が必須です。体調面・メンタル面に不調を感じたら、生活リズムを見直してみてくださいませ。
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