早嶋です。
企業戦略において、目標設定後の、全ての行動において一貫性が極めて大事だと思います。
例えば、SDGs の取組です。持続可能な社会の実現のための取組としてスタートする。そのために部門ごとに、17の目標に分けて何かに取り組むことは重要です。しかし、企業としての取組が、そのSDGsの目標とその企業の戦略に紐付いていない場合、正直意味がありません。
SDGsのバッチをスーツのフラワーホールにただ飾る行動はいけていません。全くの意味が無いのです。そして、いくらエネルギーを削減しても、いくら男女やハンディキャップの雇用を増やしても、いくら製造に対しての責任を貸しても、その取組そのものが、単独の取組で完結し、事業の戦略に紐付けなければ、所詮社員からすると他人事です。
企業に取って持続可能な社会の構築は、5年後も10年後も、あらゆる環境の変化があったとしても、今の企業体が存続することが重要なのです。そう考えると、SDGsの取組は、自社が将来に渡って持続可能な仕組みや体制を整えることそのものに意味が出てくるのです。
私は、上場企業のグループ企業の戦略や人材育成を主としてお手伝いさせて頂いています。過去の発想では、グループ企業や小会社は親会社が受注した仕事を如何に効率的にこなすかが評価基準でした。しかし、この10年以上の間で事業環境が激変し、親会社からの仕事は激減。更に、親会社からの指示で、グループ外の仕事の比率を高めて下さいね、という達しが出るのが当たり前になっています。
しかし、多くのグループ会社は発想を転換することなく、行動を変えること無く従来の延長上で仕事を続けています。これだと結果的にそのグループ会社の存続は危ういのです。持続可能な社会の究極は企業の1社1社が知恵を絞って将来的に存続する仕組みを再構築することこそが重要なのです。
ジェンダー・フリーを実現し、働き方に自由度を持たせる。国籍に関係なく仕事が出来る仕組みを整える。仮にこのような取組をゼロベースで実現しようと行動を変えると、これだけでも将来の人材獲得が有利な立場になることでしょう。
エネルギーの使用や従来の仕事の流れをゼロベースで見直し改善、改革することは、グループ企業にとってプラスのメリットを生み出します。
一人あたりの生産性を高めることによって、経営震源を削減し、余った資源を新規事業やその企業の問題解決の最も優先順位が高い取組に再配分することが可能です。そのような取組を着実に続け、試行錯誤しながら成功ケースを創り再現性を高める研究を続けて実現することこそが、持続可能な社会の一員を構築している姿になるのです。
周りが言っているから自社もやる!的な発想は無意味です。自社が10年後も100年後も存続して社会課題の解決に寄与する取組を知恵を絞って立案して、試行錯誤しながら取組成果をだすことこそが、持続可能な社会を創ることにつながるのだと思います。