早嶋です。
グーグルは米国において12番目につくられた検索エンジンのスタートアップで全くの後発組でした。しかし初期のグーグルを支援したヴェンチャーキャピタル(VC)が名経営者のエリック・シュミットを連れてきて、それから業績を伸ばしています。そしてそのVCは半導体産業が元祖でその半導体産業自体もVCによるリスクマネーで産業が成長しています。
世界的に見て2013年はユニコーン元年です。この頃から時価総額1,000億円以上の未上場企業が増加しています。2015年には176社だったのが2021年には959社まで増えています。当初はシリコンバレー発だったユニコーン。今は半数が米国以外からの誕生です。この成長を裏で支えているのはVCです。
従来、日本と同様に保守的と考えられていた欧州の企業も、北欧発のくランダムというVCを皮切りに欧州発のグローバルスタートアップ企業を誕生させています。現在、欧州でのベンチャー投資額は737億ユーロと直近10年で10倍程度伸長しています。
この動きはアジアにも飛び火しています。中国以外の国でもインドをはじめ、シンガポールやインドネシアなど巨額の時価総額を生み出すベンチャー企業を次々に誕生させています。
そして2019年12月、武漢から始まった世界的なパンデミックで下火になるどころかベンチャー投資は更に加速しています。社会の変化を受けて新たな企業が全く異なる切り口で社会課題を解決する。その際にリスクマネーを集めたVCのエコシステムが産業を資金面で下支えしているのです。
かろうじて世界3位の経済大国日本。残念ながら既存の大企業のエスタブリッシュメントの力が強く、このVCによるイノベーションを創発する仕組みが生かされていません。今停滞している経済に風邪穴をあけるのは大企業ではなく今後生れてくるであろうスタートアップの可能性も秘めています。その意味で経営者はVCに対しての知識を一定以上付けることは必須になると思います。