早嶋です。
店舗ビジネスにおいて、集客機能や顧客管理、それから店舗ごとの係数管理は全てデジタル化され、本部が一括して行うようになります。従来は、店舗毎に店長がいて、顧客管理や、店舗の商品の管理、それからスタッフ管理等を行っていました。
例えば100店舗の何らかの店舗事業を行っていた企業は、本部スタッフ数名で100店舗の管理を行い、顧客の来店履歴や利用履歴に応じて、SNSや他の媒体を組み合わせた顧客の集客を行うようになります。そのため店舗の仕事は、本部が送客をした後のオペレーションになります。従来は店舗毎にプロジェクトを行い、イベントの企画や顧客のリピートを考えたり、新規の開発を行っていましたが、それが不要になるのです。
当然、店舗の管理体制や店長の役割が大きく変わります。というか店長そのものが不要になり、5店から10店舗単位で店長を管理していたスーパーバイザーも不要になります。店長の役割があるとしたら、店舗のスタッフの心理的な安全性を常に確保しながらケアすることでしょう。そのため従来は企画力や簡単な財務の知識が必要でしたが、これらは全てコンピューターと本部が一括で行うようになるので、見方がわかれば専門知識や経験は不要です。代わりに、相手のことを慮れる、気遣いができる能力が格段に必要になります。
この能力を持っている人は、今の店長ではなくパートやバイトや社員など、雇用形態に関係なく持ち合わせている、ヒューマンスキルの高い方に仕事の役割をお願いするのがベストになると思います。本部から仕組みなどで店舗に送客された顧客が、店舗での体験を最高に心地よくするケアができ、時々の重要員の気持ちの変化や心の変化に適度にケアできる人材が必要になります。
店舗のDX化は、現場スタッフの心理的な安全性の心のケアを同時に進めていかなければ、単に作業に追われる場所になってしまいます。効率的に顧客が来店でき、リピートできるようになっても、しばらく現場での人間のやり取りはなくなることは無いでしょう。効率化によって得られた資源を現場のヒューマンタッチな取り組みにフォーカスするイメージを持っている経営者はデジタル化に対応してもしばらくは事業を継続できることでしょう。
これまでの店舗事業のブログ
対前年比管理を見直そう(店舗事業1)
本部が集客機能を持つ(店舗事業2)
DXの目的を設定する(店舗事業3)
現場の組織と評価を見直す(店舗事業5)