早嶋です。
全国に約7,900件あるキャリアショップ。携帯電話やスマフォの普及と共に全国津々浦々に点在していますが、キャリアが直営で経営している店舗はごくわずかで大半は代理店が運営しています。そしてその経営も今後厳しくなることが言われています。
キャリアショップの特徴は都心や中心地は、商社や端末メーカーだった企業の関連会社が運営しており、地方は地元の盟主的な企業で、ガソリンスタンドや他のFC事業を展開している地場企業運営しています。看板こそドコモやソフトバンクやauなどで統一されていますが、ミクロに見れば運営形態はバラバラなのです。
キャリアショップは現在飽和状態で、今回のコロナ禍の影響も後押しされ状況は芳しくありません。この傾向は、スマフォ普及が飽和し始めた頃から予測されていましたが、昨今の総務省の割引規制などの影響も強く出ています。国がメスを入れたおかげでユーザーがキャリアショップから離れているのです。
更に経営を難しい状態にしている原因に慢性的な人手不足があります。コンビニや建設現場では外国籍の方々が活躍していますが、キャリアショップは本質的な改革は見えず働き手が少ない現状です。仕事環境からしてもスタッフからは厳しいのです。
キャリアショップは接客業で、大手キャリアが矢継ぎ早に出す複雑な仕様や料金体系や様々な機種を理解しながら対面での接客が必要です。そのキャッチアップだけでも大変なのに、加えて窓口顧客に真摯に対応しなければならないというストレスがつきまといます。なぜか日本人は、キャリアショップにいくと態度が一変するのです。普段はニコニコ穏やかな人相の客がここぞとばかりに店員にマウントをかけてきます。そのような顧客にも丁寧に相手をするストレスは相当なものだと思います。機種の変更や契約に2時間程度も要する仕事。やはり精神的にも肉体的にもつらそうです。
日本が成長期だった頃は代理店事業はそこそこ成果を出していたと思いますが、今は成熟期。代理店事業は携帯電話の販売や成約時にインセンティブが入り、キャリアはその後の使用によって収益をもたらす事業です。そのため常にキャリアショップでは新規顧客を開拓しなければ生き残れません。当然、今後の事業環境を鑑みたら契約数の総数は減らないにしろ手数料収入は買い替えサイクルが長引くこと、飽和したパイの取り合いが始まっていることでキャリアショップ全体の収益は減少sるうことが推測できます。
キャリアショップの視点から見て最も辛いのは、契約した顧客はキャリアの顧客として管理されるため、契約後の収入が殆ど入らないことです。新規顧客で契約が取れていた頃に、ハウスカードを作りキャリアショップが他に展開している事業と紐付けて顧客を管理している企業は少なく、急に顧客情報を管理しようとしても、なかなかうまくいきません。
更に近年、辛いところはネット通販や格安ショップや中古店舗で購入したスマフォや携帯の相談をキャリアショップに持ち込んだ相談が増えていることです。断れば良いのですが、日本の顧客サービスの精神は若干異常な部分があり、1円も手に入らない対面接客に真摯に対応することから更にスタッフが疲労困憊するという展開になっています。