早嶋です。
1980年代ころまでは、米国や欧州を中心とした国を模倣することで日本の産業は伸びてきた。
例えば、当時のゴールがYで、その解決方法がaX+bだとします。企業によってXに何を入れるか、変数のabに何を当てはめるかは企業や業界によって異なっていましたが、基本的な解決方法は一様に認識されました。したがって、誰よりも早く正確に代入してゴールにたどり着く企業が正解とされました。
したがって、優秀な社員は記憶力や処理能力になり、必然的に大学の偏差値が高い人間が良しとされ、大学=就職を左右するという指標が当たり前になっていたと思います。
2000年ころの日本は、経済の成長がとまりGDPも世界と戦えるようになり、他の模倣していた国に近づきます。それでもまだまだYをゴールとした場合のやり方に工夫を凝らす必要がありました。ただ、ゴールを満たす公式がaX+b以外にも存在するということがわかってきまっした。したがって、Yを目指すために、現状と将来の姿をひたすら分析して、ギャップをみつけ、そのギャップを埋める方法を探して解決することが優秀とされました。
80年代と異なった点は、記憶が必要なくなったことです。データベースが整理されはじめメモリが安価になりました。またPCの処理能力が早くなったことで、人間自体の処理能力はあまり重視されなくなります。しかし、一方で上述したような問題解決能力がもてはやされる時代になったのです。
それから20年経った今、今度はYが見えなくなりました。あまりにも早いパラダイム・シフトの繰り返しで大企業はどこをゴールにするのかがわからなくなります。そんな時にYを目指します!とYを構築していきます!と導く先を示すことができる1人とか数人が居る会社には、急激にお金と人があつまりはじめ、すごい勢いでYを実現するようになります。過去と違って、Yを模倣しようと思って参入した二番煎じの企業は、スピードの早さから太刀打ちができないのです。
今求められる能力は、敢えて言えば、Yを作ること。完全に先を構想して、そこに対して社会を方向づけする力でしょうか。構想するという概念がただしいかどうかわかりませんが、Yを作り出す、とかYを示す力は大切ですね。
Yを示すことができれば、多くの企業の社員は、問題を定義でき、解決策を考え、実行に写せます。Yの存在は偉大だと思うのです。