早嶋です。
国内は少子高齢化で、地方が減速するのも時間の問題です。一方で、地方活性化の打ち手の一つにリゾート開発が考えられます。海外を見渡せば多くの観光客で賑わいを見せるリゾート地は多数あります。インドネシアのバリ島、豪州のハミルトン島やヘイマン島。カナダのウィスラー、スイスのサンモリッツなどなどです。
実は日本のち方はリゾート地としてのポテンシャルを持っています。治安の良さ、料理の美味しさ、風光明媚な温泉と山や川、アクセスの良さです。中でも沖縄に見られるようなきれいな海とビーチなどは外国人にも好まれるリゾートの条件を満たしています。
先日、沖縄ではハレクラニ沖縄が開業しました。ハレクラニは三井不動産がおよそ40年前に買収したハワイの高級ホテルです。今回の沖縄県恩納村の開業で2軒目です。同エリアは旧喜瀬別邸で今のリッツ・カールトン沖縄や、ブセナテラスなど客室単価が高いホテルが集積しています。目の前のビーチは名護湾で沖縄本土でも有数のきれいなビーチがあるエリアで、まだホテルの開発が続いています。
ハレクラニ沖縄は360室、プールが5箇所と大型の高級リゾートホテルです。客単価は5万以上。オープン時に視察を兼ねて伺いましたが9月頃までほぼ満室とあり活気に満ち溢れた施設でした。
国内全体を見てみると世界のリゾートホテルがラグジュアリーとエコノミーに二分していく中、日本のリゾートホテルの立ち位置はまだまだ中途半端だと思います。元々人件費も安くない日本では、価格で勝負をするのではなく付加価値を付け堂々と客単価を上げたラグジュアリーホテルを増やして良いと思います。
ただし人手不足は否めません。リッツ・カールトン沖縄は、ハレクラニに従業員を奪われたのか分かりませんが、十分なサービスを提供するには不十分な人数で運営していました。オープンして定点観測していますが、名物の朝食の質といい、従業員の気配り目配りといいどんどん低下している感を否めません。
昨年オープンしたヒラマツのオーベルジュのように、少人数を相手にゆったりと料理とフルサービスを提供するホテルであれば、少ない人数でも回転することはできるでしょうが、約100室を持つリッツは少し残念な感じを受けました。
沖縄ではリゾートホテルが急激に増えているため、或いは観光客が増加しているため、サービス業界は活況です。しかしサービス産業に従事する人手は不足しているのでしょう。或いは、ある程度人材を確保出来ても、ラグジュアリーホテルにふさわしいサービスを提供する人材の教育が追いついていないと感じました。
良いサービスは体験したことがなければ、中々提供することが難しいです。今後、沖縄を始めとするラグジュアリーホテルの人材育成は成長事業となることでしょうね。
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