早嶋です。
某企画である企業のウィスキー事業部と仕事をする機会がありました。結果、その企画は流れました。しかし飛ぶ鳥を落とす勢いのウィスキー事業部とネットワークができたのは一つの成果でした。ウィスキーは沢山作ろうとしても時間がかかります。また、今投資をしても10年後に今の勢いが続くかわかりません。そう捉えると非常に難しい事業の一つです。
そもそも数年前のウィスキーは、有名銘柄でも格安店舗に並んでいました。若者のアルコール離れとともに衰退事業とされていました。しかし、ドラマの影響と隣国でウィスキー人気に火が付いたのをきっかけに日本でもブームが再来します。
これまで伝統的なマス広告はテレビでの発信&有名人の起用が多かったですが、近年は変化しています。ウィスキーの代表的な企業であるサントリーは、その取り組みに注目があつまりま。燦鳥ノム(さんとりのむ)はそれを象徴する取り組みでしょう。商品のPRをネットの世界で行う際に、キャラクター自体を自社で作りあげているからです。
デビューから約10ヶ月。Youtubeの公式チャンネルの登録は現時点で9.5万人を超えています。サントリーのキャラクターが歌い、踊り、トークをします。商品の宣伝は積極的に行わずたまにプロダクト・プレイスメントの要領でチラッと紹介する程度です。メーカーがデジタル芸能事務所に転じたのです。
ネットの世界では、ユーザーが何か興味があれば自分から積極的に検索して情報を得ていきます。従って興味をもってもらうためのきっかけさえあれば、詳しい説明はいらないのです。企業は、Web情報に情報を集約しておけばよいのです。
先日の日経新聞では、ネットアイドルの事について「昭和のアイドルは憧れの存在、平成は会いに行けるアイドル、そして令和はいつでもどこでも検索できるアイドル」と書いていました。うまいですね。
前から思っていましたが、テレビCMのスポンサー料のビジネスモデルは企業が損をする仕組みだと思います。芸能事務所は広告代理店を通じて無名のタレントを売り込みます。スポンサー料をあまり払えない、だけどマスに露出したい。そのような場合、無目のタレントを起用して認知を得ようとします。
しかし、無名なタレントも企業の認知とともに露出する割合が増えます。そして有名になります。有名になればそのタレントの指名料があがり、スポンサー料が高騰します。育てた企業は、そのタレントを起用するためには高額のスポンサー料を払わないと使えません。そしてあたかも見捨てられます。より高いお金を払う企業が出現してタレントは移りゆくのです。しかし、そんなタレントも人間。たまに不祥事を起こして一気に業界から干されます。
歴史を振り返っても、同じことを繰り返してニュースを起こすのがメディアです。あたかもわざと行っているかのようです。企業は、どうして気づかないのかなーと思うばかりです。しかし、ネット時代になり、メーカー自身がデジタル芸能事務所に転じていけば、初期の投資も全て自社のPRにつながるという算段で、今後小さな企業も同じようなことを行うかもしれません。
考え方によっては、広告代理店も、タレント業界も、商売上がったりですね。NHKや他のバラエティでもデジタルタレントがタレントと共演している絵をたまに見るようになります。まぁ、今後はUUUMのように新たなメディアやタレントを統括する代理店が出現して、そこがコレまでの芸能事務所に置き換わって行くのでしょうね。