原です。
前回の「製品が良いだけでは売れない」に続いてです。
それでは、売れている商品とは、どんな商品でしょうか。
それは、モノづくり中心ではなく、顧客中心に視点があります。
例えば、筆者が住んでいる近くの商店街には、行列が並ぶ人気の饅頭店があります。餡が黒と白の2種類だけの普通の回転饅頭店です。
饅頭店や類似店は他にもありますが、筆者も「このお店で買いたい」という大ファンです。自分でも食べますが家族や知人にも食べてほしいという感情からお土産としても買います。お土産を相手に渡す時には、手づくり感や安心感を伝えます。相手は、とても喜びます。
行列が並ぶ人気店の理由としては、以下の要素があるからではないかと思っています。
店舗はガラス張りで饅頭を作っている様子が外から見えて「生産者の想いと手作り感」が伝わってきます。
原材料は○○産と大きく表示されていて「商品の安全感」が伝わってきます。
行列ができることで、あの饅頭店は人気店なのだという「お店の安心感」が伝わってきます。
行列に加わると、饅頭の美味しそうな香りが伝わってきて並んででも「買いたくなる感」が伝わってきます。
商品は、餡が黒と白の2種類だけ。箱入りも6個、8個、12個入りと購入時に迷わなくて済む「購入時の安心感」が伝わってきます。
つまり、売れている商品とは、「とても良さそうというイメージを持ってもらえる商品」のことです。顧客に良さそうと思ってもらうための努力をしています。
顧客に商品の良さそうなイメージが伝わり、購入によりイメージから本当の良さを確信されれば、お互いがハッピーな関係を築けます。
生産者や販売者が商品の良さを理解し、顧客に分かりやすく伝えることが必要です。
「売れない時代になった、努力しても無駄だ、価格を下げないと売れない」などと勘違いするのではなく、「当たり前のことを当たり前にする」に時間と努力を使ってほしいです。
そうすると、「良い製品だけど売れない商品」から「良い製品が当たり前に売れる商品」に育っていくのです。