早嶋です。
米中冷戦をきっかけに、これまで中国がリソースを有していた資源の価格高騰がジワリジワリと再び始まりました。希少金属などの資源は、以前もありましたが2019年を堺に値上げ報道が続きますね。
加えて、他の業界でも値上げの発表が続きます。サントリーは清涼飲料用途のペットボトルの値上げを発表しました。この動きはコカコーラも同様です。値上げの理由は物流費の高騰です。2018年頃に流通業界が値上げを完了し、その影響を小売業者が受け、価格を上げる動きにでています。物流費に関連した値上げは、飲料のみならず、他の業界に波及するでしょう。
味の素は、コンソメや味塩などのベースとなる調味料の値上げを発表しています、いずれも出荷価格ベースで10%前後の値上げです値上げの理由は主原料となるビーフエキスや塩などの価格高騰です。この背景は、増加する人口と発展する途上国の胃袋が拡大して、世界の資源を取り合っている構図が見えてきます。従い、この傾向も今後も続くことから、次は原材料を加工したB2C関連の食品にも影響するようになるでしょう。
今後、中国とアメリカの冷戦が続けば、電子部品や電子機器の素材等も仕入れ値が高くなることが予測されます。したがって、徐々に家電や他のハードに関連する商品も原料のコストが圧迫される状況になります。
人件費においては、建築の現場では世界的に技工を持った人材が引っ張り合いになっていることから、人件費の高騰によって価格が上昇する波が来るでしょう。それからベースとなるサービス産業で仕事をする人材が不足。それを補うように機械設備(コンピュータやロボット)の投資が増えるでしょうから、エンドユーザーにはしばらく価格転換が継続することが考えられます。
ニュースを見てみると、世界の気候が変わったことから農作物の不況であったり、海産資源が不足する記事もありますね。台風の増加。気温の上昇によって、これまでのルールや仕組みが自然界の中でも変わってきており、そのルールで資源を調達していた業界もやはりコスト高の要因になることが考えられます。
ということで、構造的なコストの高騰は、しばらくは続くことが予測できます。企業は努力してコストを維持するのではなく、適正な価格を提示して値段を上げるという判断を今年を堺に行って行くでしょう。