安藤です。
女性活躍推進は、2013年4月、安部首相が成長戦略スピーチ 「もっとも生かしきれていない人材は、女性です」 から始まりました。女性活躍を成長戦略の中核に位置付けられ、大企業を中心に取り組みに力が注がれました。2016年4月には女性活躍推進法が全面施行され、計画的に女性の採用や育成をする企業が増えてきました。ワークライフバランスに配慮しながら成果を上げる「イクボス」をテーマにした勉強会を管理者に向けて実施されました。
そもそも、少子高齢化により労働力不足もあり、また、働き盛りである30代女性たちが、結婚や出産を機に仕事を辞めてしまうケースが多く、産後に復帰しようとしても正社員での採用が難しいのが現状です。女性が継続して就労するための制度や環境が整っていないことが労働力不足の要因と考えられます。
データー参考:結婚・出産を機に46.7%の女性が退職 国立社会保障・人口問題研究所「第Ⅱ部 夫婦調査の結果概要:4.子育ての状況」
非正規雇用者の68.2%が女性 国立社会保障・人口問題研究所「第Ⅱ部 夫婦調査の結果概要:4.子育ての状況」
女性管理職の割合は全体の12.1% 厚生労働省(2017)「「平成28年度雇用均等基本調査」の結果概要」
最近、女性活躍推進の担当者から相談を受けることがあります。「7年、8年と女性の管理者育成に向けて研修を実施しているけど、
女性側からクレームが上がってきている。今後、どのように進めたらいいのか」という内容です。
女性活躍推進が上手くいっていない組織の問題は、共通している点があります。女性活躍推進の法律に従って形だけ実施していることです。本気になって、女性が働きやすい職場環境を整えることをしていないことだと考えます。
理由は、日本に男尊女卑の社会通念が残っており、男女の意識や役割に関するバイアス(偏見)を変えるには時間がかかるかもしれませんが、意識改革に取り組んでいくこと、トップがダイバシティ―(多様性)の重要さを自覚すること、多様性の実現を管理職の業績評価に組み入れる、能力ある女性を管理職として育てる教育体制を整えること、管理職になっても働きやすい環境をつくる等の実効性のある取組が必要ではないでしょうか。
平成生まれの女性(20代)のワークライフバランスの理想は、結婚や育児を経験し正社員・正規職員でできるだけ長く働き続けるは、37%、そして、結婚や妊娠・出産の現実感が増す30代前半45.1%、30代後半で40%という数字です。(引用:日本経済新聞2018.12.14)
2010年短時間制度の導入義務付けの施行により「育児で時間の制約があっても、働き続けられる」と意識が変わっています。
妊娠後もキャリを積めるようになり、中長期での計画を持ち『スキルアップ』しようとする女性が増えてきています。女性たちが望んでいることは、育児もしっかり、上司への希望は強みを鍛えてほしいと意欲的です。
職場での女性の活躍推進には、本気で管理職像や部下との接し方を議論し、部下の生活や制約条件を理解し、信頼関係を築き中長期プランで取り組むことが求められると考えます。
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