安藤です。
従来のメンタルヘルスは、いかに心の不調を防ぐか、心の病気にならないように、再発しないことに重点が置かれていました。しかし、21世紀にはいり、新しいメンタルヘルス対策に移行してきています。
労働安全衛生行政を増進するための基礎資料とすることを目的とした調査では、事業所が行っている安全衛生管理、労働災害防止活動及び安全衛生教育の実施状況等の実態並びにそこで働く労働者の仕事や職業生活における不安やストレス、受動喫煙等の実態について把握しています。詳しくは、こちらをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/h29-46-50b.html
平成29年度のデータでは、「現在の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスになっていると感じる事柄がある労働者」の割合は59.5%と、平成28年調査より3.8%増加しています。
世界保健機関では、精神的健康とは、単に精神障害ではないということではない。それは、一人一人が自らの可能性を実現し、人生におけるストレスに対処でき、生産的にまた実り多く働くことができ、社会に貢献することができるという、幸福な状態であると定義しています。
メンタルヘルス対策の考え方も、今までの精神的、身体的不健康、ストレスなど人間の研究、いわばいかに心の不調を防ぐかでしたが、これからは心の健康(ポジティブな側面)をさらに強化することが大切であるという考え方がでてきています。
それは、仕事のやりがい、キャリアの充実感、将来ありたい自分の姿です。
その為には、個人の強み、動機付け、職務充実感、組織のコミットメントなど、健康度の高い労働者による生産性の高い職場づくりをしていくことです。
第一予防の強化のために、労働者はストレスチェックを活かしストレスマネジメント、セルフケアを行うこと。組織は、職場環境の改善が求められています。
労働者のメンタルヘルス不調の陰には『キャリアに関する多様な問題が存在」しています。キャリアの問題を未解決のままで放置していると、次第にメンタルヘルス不調に陥る傾向がみられます。そうなると組織は離職、休職者の増加、生産性の低下に繋がります。正に、『メンタルヘルスとキャリア』両面からの支援が必要になっていると考えらえます。
これからの管理者には、部下のメンタルケア―、キャリア開発支援ができることもマネジメント力として必要になってきているのではないでしょうか。