早嶋です。
学研HDは、介護大手のMCS(メディカルケアサービス)の買収を行います、総額90億円。学研の強みは、これまで教育分野でした。日本の成熟化とともに、今度は高齢者に対して経営資源を集中する戦略です。0歳児から100歳まで、ゆりかごから墓場まで。
同業を見ると、ベネッセもニチイ学館も同じく高齢者に対して資源を集中しています。少子化に伴って合理的に業界が判断した結果が高齢者を対象としたビジネスになるのでしょう。
今回、学研HDが参入する市場は、認知性。厚生労働省の資料では2012年に462万人だった65歳以上の認知症患者数は2025年には最大730万人に拡大するという予測をだしています。また、有病率は2割を超える可能性もあり、高齢者の5人に1人の割合で認知症という未来がすぐそこに来ています。ここに市場を見出した教育関連会社、子供の未来を担うために、現状の社会に対しての課題を解決することは非常に意味のある取り組みだと思います。
各社の今後の戦略も比較的に同じようなシナリオをみています。日本で高齢者の仕組みを構築しながら、同時にアジアへの展開を見る。子供から大人、そして高齢者まで。この仕組をうまく横展開することで、タイムマシン経営を取り入れることが可能です。タイ、インドネシア、ベトナム、マレーシア。今は教育のビジネスが盛んな箇所ですが、高齢化は間違いなくやってきます。市場ポテンシャルは魅力的です。