安藤です。
内閣府は、『技術革新等が労働市場へ与える影響を踏まえると、最新の技術革新を担う人材や新技術に代替されにくいスキルを持った人材を育てることが急務であり、また、日本では長寿化がさらに進むことが予想されているので、長い人生をより充実していくためには、性別や年齢にかかわらず高いスキルを身につける環境を整備していくことが重要な課題である』といっています。
技術進歩によって必要性が高まる職業は、「機械によって代替されることが困難な非定型の分析・対話型業務を行うものである可能性が高いこと」 こうした業務には単にITを使いこなす能力だけでなく、機械には代替が困難な能力も求められることから具体的に企業側がどのようなスキルを必要としているのか・重視しているのか」の調査を内閣府が実施しました。
傾向的にはマネジメント能力、専門的な知識・技能、コミュニケーション能力、アイディア等が上位にきています。新技術活用に積極的な企業は、創造力、ITを使いこなす能力、マネジメント能力、分析力・思考力、コミュニケーション能力等をより求める傾向があり、営業力・接客スキルや、定型的な業務を効率的にこなす能力などの需要が低い傾向があることがわかります。
また、ITを仕事で使う頻度が高い人は、他にどのようなスキルを使う頻度が高いかというと、読解、書く、算術といった基礎的な能力のほか、複雑な問題解決、他者との交渉や説得等といった、分析や伝達を行うスキルの使用頻度との相関が高いと結果がでています。そして、読解や伝達等の意味を理解し柔軟な対応を行う頻度が、ITを使う頻度と相関が高いことの背景には、これらがAIやIT技術では代替できない能力であると指摘されています。
例を挙げると、機械は新聞記事の内容が景気の良さと悪さのどちらを示しているかを機会に判断させる分析を行ったが、機械は記事の内容を一切理解できておらず、出てくる単語や文章の構造の景気の良さの内容である確率を過去のデータに照らして統計的に算出しているだけである。その計算結果が適切か、計算結果をどう解釈・説明するかについては、因果関係や文脈等を考慮尾した人間による判断が必要となると書かれています。(参考資料OECD2016:New Skills for the Economy)
21世紀コンプテンシーの枠組みとして「知識」「スキル」「人間性」「メダ認知」がキーワードでした。知識は、道具を相互作用的に活用する。スキルは、異質な集団で交流する。人間性は、自律的に活動する。メタ認知とは、成長的な思考態度であり、どのように省察し、どのように適応するかと挙げられています。(*CCR:The Center for Curriculum Redesign)
これからの時代は、個人は年齢に関係なく機械に仕事を奪われるというような捉え方でなく、技術確認に対応したスキル習得 「何を、どうつけていくのか:学び直し」を真剣に考える時期がきていると考えられるのではないでしょうか。