早嶋です。
アマゾンはジェフ・ベゾス(Jeffrey P. Bezos)が1995年にスタートさせた会社で、今では誰もがお世話になっている会社の1つだと思います。当時から、世界最大の小売業になるというビジョンを掲げビジネスを展開しています。
書籍の販売は、eコマースの導入として位置付けられました。完全に商品番号が一致すると全く同一のモノが届くので、ネット販売に最もフィットした商品として位置付けたのでしょう。しかし、その他のファッション商品ははじめ失敗に終わりました。感覚的な訴求に訴えても現物を見て試着すると違う。ということで購入に至らなかったのです。
そこでアマゾンが飛躍した1つにザッポスの買収がありました。ザッポスは1999年にニック・スウィンマーン(Nick Swinmurn)により創業された会社で靴のネット販売に強みを見出しました。特徴は、返品を自由にして配送関連の作業を全て自動化したことです。26cmの靴がほしいけど、サイズはどうだろうか?リアルの店舗では、その前後のサイズを試着して、黒だけでなく青も茶色も履いてみたくなります。ザッポスは、そのような消費者の行動をネットに上手く乗せることができました。全て注文してもらい、欲しい靴だけ購入、その他は返品するという仕組みです。
ここにアマゾンは目を付け、2009年にアマゾンの参加に入ります。これによって本のように注文した商品に違いがないものから、感覚的なファッション商品までを手広くネットで販売するノウハウを獲得してビジネスを急拡大していきます。
近年、アマゾンはアメリカで自然食品、オーガニックフードの品揃えで定評のあるホールフーズマーケットを参加に入れました。世界一の小売業を展開するアマゾンに取って、この買収はすごく意味があると思います。ホールフーズマーケットの実店舗は約300店舗あまり。米国国内で自由にリーチするための店舗数としての目安は3,000店舗と言われるので、この部分のギャップをアマゾンのネットに乗せるというのはすぐに思いつく発想です。
しかし、アマゾンは更に一歩進んだ発想を持つと思います。例えば、アマゾンで家族分の牛肉を5枚購入した後、次からは同様に肉の固まりを好みの厚さで5枚分注文出来るような仕組みが出来上がると思います。スーパーであれば、牛肉300gとか、豚肉をスライスして下さいとか、そこそこテーラーメイドが出来るのが特徴です。実店舗とネットを融合することで、ネットで注文するのだけど食品に対してもリアル店舗で注文する感覚でテーラーメイドで商品を購入できる仕組みが出来上がるでしょう。こうなると、他の実店舗からすると徹底的に驚異的な存在になると思います。
一方で、一般消費者からすると、ますますロケーションシフト、タイムシフトした生活がより自由になるということで便利性が高まるのです。ど田舎でも、都会でも、同じような自由度で好きな商品が手に入る。アマゾンが世界一の小売業になった時は、一般的な生活のスタイルがより自由になっていることでしょう。