早嶋です。
長崎県下の交通機関がようやく全国標準に乗り出す。と思ったら、現行の長崎スマートカードを開発している長崎バスがニモカへの切り替えに対して様子見をしています。
先日、たまたま長崎バスにのって実家に帰った時、無意識にスイカをかざしてNGをくらいました。地方なので、独自の仕組みを導入しているのだろう程度にしか考えていませんでしたが、何か雰囲気が異なります。
ーーニュース引用ーー
西肥自動車(佐世保市)や県交通局(長崎市)、長崎電気軌道(同)など路線バス・鉄道の県内8事業者は16日、運用する共通ICカード乗車券について、現行の長崎スマートカードを、2019~20年度に西日本鉄道(福岡市)のnimoca(ニモカ)へ切り替える方針を明らかにした。02年導入したスマートカードのシステム老朽化を機に利便性向上を目指す。
ほかの導入事業者は県央バス(諫早市)、島鉄バスを運行する島原鉄道(島原市)、佐世保市交通局(佐世保市)、させぼバス(同)、松浦鉄道(同)。
ーー※1 引用終了ーー
で、現在長崎スマートカードという独自システムは県下の10団体が現行で運営しています。今回の一連の取り組みに対して、利用金額シェアが55%を占める長崎自動車(長崎バスの会社)とその子会社のさいかい交通は導入の可否を決めていないというのです。ニュースコメントには、「利用者や地域への影響を考え、スマートカードの継続や独自カード導入も含め、あらゆる選択肢で検討中」とのこと。
やはり鎖国の国で、独自の文化が相当お好きなのかな?とも思いましたら、そんな程度で今回のような発言を表明しないと思い少し仮説を立てました。
1)純粋にシステム開発者なので
長崎スマートカードは、長崎県と一部佐賀県でしか利用出来ません。もちろんニモカはスイカと連携しているので全国各地の鉄道やバス、そしてコンビニ等でも使えるので利便性は無限大に拡がります。が、やはり自社開発を潰したくないという思惑か。としても、これはやはり稚拙過ぎます。
そこで、2)別の考え。かなりな大人の事情。
長崎は地銀が2行あります。親和銀行と十八銀行です。親和銀行は長崎県佐世保市に本店をもつ金融機関で既にキャッシュカードはニモカと一体になる商品が出ています。そして長崎県長崎市に本店を持つ十八銀行は、交通系のキャッシュカードの商品を持ち合わせていません。現在、2行はふくおかフィナンシャル・グループの経営同業の競技中です。実際は、長崎県で親和と十八が福銀傘下になると県下のシェア7割を占めるということで公取が物言を付けている状況です。これについては親和と十八の統合でもコメントしました。
これから推察するに、長崎バスは元々スマートカードの開発会社で、2つの銀行が統合しないことには、一度システムを更新したところで、再度何か大きなシステム切り替えが発生するのでは、と踏んでいるのでは無いでしょうか。従って、実際は、切り替えたいのは山々だけど、小さな県内で地銀の統合に揉め事が入っているから、その様子を見ているのよ。やるならその状況が白黒付くであろう10月以降まで待ちましょうよ。的な発想なのでは無いでしょうか。
※1:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170617-00010004-nagasaki-l42