早嶋です。
日本でも最低賃金を上げようという動きはありますが、米国の事例は注目に値しますね。
ーー引用※1ーー
カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事が、州の最低賃金を全米最高水準に引き上げる法案に署名した。これにより同州の最低賃金は23年までに時給15ドルになる。日本の最低賃金と比べる議論が広がっているので、ご存じの方も多いと思う。
ーー引用終了
仮に日本でも議論されているようにバイトやパートの最低賃金を1,000円にあげたらどのようになるでしょうか。考える方向性は1)企業、2)パート・バイト、3)経済と分けて考えて見ます。
まず、1)企業ですが大企業ではパート・バイトからクラウド等を含めたアウトソーシングが更に活性化すると思います。或いは、少し先のことを考えてIT化、或いはオートメーションへの投資を拡大する方向性に動くでしょう。資本が小さな企業は、場合によっては賃金を払うことが出来なくて廃業に追い込まれる。或いは、大企業と同様のインセンティブになるでしょう。
次に、2)パート・アルバイトに対してですが、上記のような企業の動きから大量の失業者が出て来るでしょうね。パート・バイトの価値は企業が決めることで、必要な成果を出す人はそもそも賃金が高いという前程で考えると、800円から2割上がった時に必要とされない方は結果、海外の手か機械かとシビアに判断されると思います。
ただでさえ日本の労働市場は非効率な部分が多いです。これはパート・バイトに限った話ではなく、IT化や合理化の考え方は一部の大企業のみの普及で多くの企業は属人的かつ、同じような作業を同じようなやり方で20年くらい継続しています。最低賃金の引き上げはそれらにメスを入れるインセンティブとして影響をあたえると思います。
最後に経済的なインパクトですが、結果、同じフィーの総額でこれまで通りの付加価値が上がることになれば失業者は一時的に増えますが、全体のマクロ的な環境は変化しない。ということになるでしょう。むしろ企業は、更に効率的に収益を上げれる仕組みを導入することになるので、今後の低成長、或いは経済の低迷を受けても雇用は少なくて収益を維持できるという流れになるでしょうね。
参照※1:http://news.mynavi.jp/column/svalley/657/