以前のブログで蕎麦屋のカツ丼と東洋ゴムの不祥事についてコメントした。(参照:http://www.biznavi.co.jp/blog/archives/4218)
世の中の不満や不祥事は主力のビジネスではなく、その事業からほど遠いサブのビジネスから温床となって湧き出てくると。今世間を騒がしているマンションの杭問題。その中心にいる企業、旭化成。これもまた蕎麦屋のカツ丼だ。
旭化成の決算資料説明会の資料を参照すると、2015年3月期の売上は1.98兆円で42%がケミカル、受託が28%となっている。そして今回世間を騒がしている建材は実に売上比率にして2.6%しかない。最も全体が2兆円近いので売上にすると500億円と大きいが、旭化成からすると明らかに小さい。
従って、また蕎麦屋におけるカツ丼になってしまっている。遡ってみると歴史は繰り返されている。雪印乳業が持っていた雪印食品もポートフォリオの中で小さな部門が問題をお越し、コーポレートブランドを全てのブランドに統一して使用していたために、雪印の本丸が傾いた。
が、これも基は同じで本流から外れているビジネスを野放しにしていた結果が招いたもの。企業規模が大きくなれば、何でもかんでも手をだすのではなく、ある程度大きな枠組で整理をしておかないとしっぺ返しがやってくる。小さな部隊にまで魂を込めて経営が出来るのであれば別だが、出来ない場合は切り離すか、売却するか、撤退するかが懸命な選択と言える。