原です。
日本人の多くの方が、交渉は苦手という意識があります。
それは、交渉とは何なのか?交渉の心構えや準備、交渉の技術を学ぶ機会がなかったからです。交渉学は、米国のハーバード大学で生まれた学問ですが、日本では交渉術を学ぶ機会が少ないのが現状です。
一方で、近江商人の「三方良し」という言葉が有名ですが、これは、「自分よし。相手よし。世間よし。」という考え方で交渉術に類似しています。日本人は交渉が苦手と思い込むことはないのです。
交渉術の目的は、交渉とは「勝ち負け」ではなく、双方の価値が最大になる範囲で交渉を成立させることです。つまり、win₋win(お互いの得)の関係を築くことなのです。そのためには、相手が好きか嫌いかなどの感情論ではなく、交渉の目的に集中し、対話の技法と双方の問題を解決していく創造的問題解決思考が必要となります。
交渉術を学ぶことで、交渉は苦手という意識から、交渉が得意という意識に変わり、不安やストレスを和らげながら交渉に望むことができるようになります。
また、交渉は「勝ち負け」から「お互いの価値、共通の利益」が目的であるという考え方に転換できることで継続的な関係を築くことができるようになり、現在だけでなく将来の大きな利益の獲得が可能になります。さらに、営業トークや話術などのテクニックではなく、感情に流されずに客観的かつ冷静な態度で行うことでき、交渉の主導権を保ちながら相手をリードしていくことが可能となります。
私は、現代の日本人に足りないものは、近江商人のような枠を超えた発想力であると考えます。
三方よしは理想論ではなく、過去に実践されたビジネスモデルであり、現代でも通用するビジネス哲学なのです。