本日の福岡向研会は、ユニチャームの社長である高原さんが登壇され、
1)ユニチャームの海外展開の事例
2)30年の海外展開でのコツ
3)共振の経営
について1時間の講義と30分の質疑応答でした。
海外展開での事例は、インドネシアの攻略についてのお話でした。インドネシアが他の諸外国から注目される前から大きなトレンド、メガトレンドをベースに、今後人口が伸びる地域、競争が緩やかなところ、流通が混沌としているところをベースにターゲット地域を絞り、徹底的に現地の中間層にフォーカスをしぼる。マーケットリサーチの方法も経営者自ら現地に赴き、中間層の暮らしに密着して、実際の生活を1次情報で確認してマーケティングの展開を考える。新興国に対しては、価格帯がネックになることから、世帯収入の5%以下をおむつに使うという経験則をベースにおむつのプライシングを考える。プロダクトに対しては、その価格帯で構成して、1枚から販売するというパッケージの工夫を現地に最適化する。流通は、地域に密着したところを観察してローカライズ。とマーケティングの基本であるRーSTPーMMの王道を徹底的に行っているという話でした。コンサルの仕方で、RーSTPーMMの仕方が間違いがないことを改めて確認しました。
30年間の海外展開での学びのポイントは、経営は10年先のメガトレンドを徹底的に理解して、それに応じたBusinessを展開することがポイント。という話でした。つまり、人口の増減。新興国の急激な消費トレンド。環境意識の高まりです。従ってユニチャームの大きな戦略は日本は高齢者とペットに集中。おむつはアジア、次にアフリカに展開するという大きな方向性があります。これはドラッカーの考え方に非常に近いと感じました。
最後に共振の経営で、ユニチャームの有名なマネジメント手法についてお話をされていました。もともとはP&Gの管理手法を徹底して研究、それをユニチャーム流にアレンジして導入しています。ポイントは、全社の方向性を共有する。社長以下経営者がその方向性を実現するための達成目標を明確にし、その通過目標を設定し、そのための課題を整理する。そしてそれを実現する戦略と達成したか田舎の達成基準を明らかにする。そして最後にアクションプランを立てる。これを経営者がまとめた後は、その部下に同じように細分化して同じシナリオを考えさせる。そして最後は末端の社員までが数年のビジョンを3年、1年に落とした計画書を作る。そして、半年、1ヶ月、1週間単位にブレークダウンして毎週修正していくという手法です。
凡時徹底をもとに、当たり前のことを継続して非凡にする。という活動を続けている。興味深いことは、これを日本以外の全ての海外に対しても同様に徹底させているといいます。
ここにおいても弊社が提供しているコンサル手法と同じ活動を行っていることを確認できたと同時に、今後も積極的に取り組みたいと改めて感じました。