早嶋です。
台頭するアジア企業。その勢いが続く今、社長が交代するタイミングで崩壊を招く可能性があります。多くのアジア企業は欧米企業と異なり、同族経営によるガバナンスの維持が多く、後継者体制を創っていないからです。
例えば、欧米型の後継者育成、次世代リーダーの育成は徹底しています。1兆円を超える規模の企業は、将来のトップ500人位を5年から10年かけて明確なキャリアパスの基に経営者や経営幹部に育成しています。社長候補であれば、その中から4名から5名に絞り込む。最終候補者には、5年から10年のスパンで小会社の社長などの役職で成果を競わせます。そして生き残った経営者が継ぎのCEOとなり企業全体を率いていくのです。このようなやり方ですから選考に漏れた経営者候補は、一緒になって盛り上げるか、去るかです。しかし去った経営者は他の企業からスカウトされ破格の待遇でトップに迎えられることが多いです。それほどまで教育がしっかりしていて実力も伴って来ているということです。
一方でアジア企業の世襲、同族企業の場合です。サムスン電子のイ・ゴンヒ会長。LGグループのク・ポンム会長。長江実業グループのリ会長。ロッテグループ、タタ・グループなど。どの企業も現在のトップがカリスマ経営で絶対の決断力でグループを牽引しています。が、現在のトップがすごすぎて後継者体制がおろそかです。
サムスンは年間に1000億円もの投資を人材育成にかけて次世代の経営者候補を育てていますが、現在の息子が継ぐ限り崩壊の可能性が高いと思います。今の経営者のカリスマがなく、態度がきょくたんに悪いからです。おそらく世襲とともに優秀な社員が大放出されることでしょう。これは他の競合他社からするとかなりの人材獲得のチャンスになります。