早嶋です。
後発品の基本的な算定ルールの変更案が政府調整に入りました。現行の新薬の7割がけから5割がけにする案です。
医療費抑制のために、後発品の更なる普及を進める一手としては有効だとは思います。この案は、今後の後発品メーカーの収益にどこまでの影響を及ぼすのか。新薬メーカーにどのような影響をもたらすのか興味があります。
国が後発品メーカーと新薬メーカーのトレードオフを無視しているとは考えにくいです。しかし、後発品メーカーは保護され、新薬メーカーに負担を強いることは容易に想像ができます。
今回の経済財政諮問会議では、医療費削減の方向性を打ち出す流れでした。
●後発品の推進の仕組み作り
●新薬開発を含めたイノベーションの推進
上記のような2つの異なる方向軸の話題が薬を取り巻く環境にはあります。製薬メーカーにしてみると、今後、どのような意思決定をすべきか?非常にタフな課題だと思います。
今後は、「新薬メーカーは画期的新薬を開発し利益を得ると同時に、国家にも貢献してください。ただしそれは医薬品の特許が切れるまでであって、特許が切れたらその医薬品には固執せずに、後は後発品メーカーに任せて、次の新薬を開発してください」
ということになるのでしょう。つまり、同じ製薬企業でも、新薬メーカーと後発薬メーカーの役割分担を明確にしていくのです。
顧客の目線から考えると、後発品のジェネリックが新薬と同等としたら、価格のやすさから非常に魅力的です。一方、それによって新薬メーカーの収益が悪化して、新しい薬の開発投資に影響が出るのであれば、将来的にマイナスと考えます。
例えば、特許が切れたら後発メーカーは自由にその特許を用いて薬を利用でき価格も設定できる。として、でもある一定のコミッションを新薬メーカーに払い続けるなどの仕組みはできないでしょうか。そのような単純な話では無いのでしょうね。