コンタクトポイント。顧客と企業が接するあらゆる接点を指します、顧客接点。
企業は昔から自社が提供する商品の研究と開発に力を入れていますが、その違いは代表的な顧客、いわゆる素人にはもはや分からない領域。商品の違いがわからなければわざわざ高い値段を出す必要はりませんから必然的に安い商品が売れます。安い商品を作るためには、原料コスト、調達コスト、製造コスト、人件費、販売管理費等のどれかを仕組みを持って抑える必要があります。
例えば電化製品に限っては、原料コストや調達コストはどの企業もほぼ同じです。そして製造コストも製造装置が同じであれば、後はオペレーションする人間の人件費が安い国が安く作れるのは当たり前。昔のように製造装置までを自分たちで一つひとつ作っているときは、装置での差別化が出来ましたが、いまは装置すら外注。従って、後発のメーカーでも装置に投資をすることで商品が作れてしまいます。加えて、昔は微妙な性能を全て職人の技術でアナログで仕上げて来ましたが。が、今は、それを一枚にチップに集約して部品として完成することができました。当然、そうなるとデジタルですのでコピペが可能。ということでハイテク商品になればなるほど、電子商品になればなるほど今後は差別化が難しくなるのです。
そこで、国内のメーカーは誤った動きをしていることを観察できます。通常、家電などの商品は、モヤは自社のチャネルで売るよりも大手家電量販店に卸して売ってもらったほうが多くの方にリーチできるので、こぞってメーカーは商品の販売を大手家電量販店に変えていきました。結果、街の人情味のあるお店との接点は失われ、全てが大型流通店とのコンタクトになります。大型流通店も商品を販売するためには販売コストを下げないと行けないので、店舗での接客、実際に設置する場合の接客にまで目が届きません。
が、コンタクトポイントを考えると、それは全てメーカーのブランドを著しく低下させる行動になります。
例えば、空調を考えて見ます。メーカーは大型販売店で少しでも多く売って貰いたいので、大型販売店のみの仕様を作って安売り版、廉価版を作ります。勿論、顧客はメーカーが出している商品にそのようなからくりがあることを知らずに、メーカーを信じながらもい、安いな!という購入します。
そして、その商品は大型販売店が下請けに出している設置屋さんが家まで届けてつけてくれます。仮に、この設置屋さんの対応が悪かったら、顧客は量販店のせいにせずに、このブランドはだめだな!と商品を作っているメーカーに対して負の目を向けます。無論、このことを直接メーカーにいう顧客は少ないので、その不満は隠れ不満となっているでしょう。更に、別に空調なんて値段関係なく最近のは使えるだろう!と思ってその廉価製品を購入した顧客は、その商品の仕様の悪さに気が付きます。そして、もちろんそのネガティブな思考はメーカーにいきます。
つまり、企業は量販店に販売を任せた時点から自らの首を閉め始め、量販店の販売力が高まって、ますます自虐的な行為を続けるようになるのです。そしてその負のイメージを補うかのように広告大手に宣伝費、というよりメーカーの価値を高めていくための布教活動というお布施を払い続けるのです。いい加減、直接のコンタクトポイントの重要性を理解して、行動を正せばよいのにと思います。が、その活動を20年も30年も継続しているので、これはきっと一度消滅しなければ分からないのでは?とも思います。