通勤、通学の途中についつい立ち寄るコンビニ。実際にその利用シーンの6割近くを占めるのが先。ついでに多い利用シーンはドライブで4割程度。
ということは、コンビニの固定客は住宅か職場から近い距離、感覚的に半径300m程度の距離で仕事をしている、或いは住んでいると考えることができます。そう考えると、その地域に特化した局所的なサービスを提供できるインフラがコンビニです。
コンビニの行動傾向として、男性は本・雑誌コーナーに立ち寄り、女性はおにぎり、弁当コーナーに向かう。というデータがあります。女性の行動については意外で、頭の中と実際は異なります。
コンビニの1回の買い物額は789円から867円。1000円札からのお釣りを考えると、上記の単価もイメージつきます。
コンビニの中で特になくなったら困るものはATM。ということでコンビニはやはり生活の一部として溶け込んでいます。
そんなコンビニはリアルとオンラインの融合を進めています。リアル店舗の強みは、そこに行けば実物が見られるという安心感。実際の店舗だから知っているという認知度など、オンラインに無いものがあるでしょう。一方、オンラインで何かを注文すると厄介なのが配送料です。必ず物理的なモノの移動がネックになります。
ここにコンビニを組み合わせる。既に世界中とつながるロジスティックスが毎日コンビニまでつながっている。ってことは、半径300mの住人が苦にならなければ、コンビニを流通のハブとして活用することができる、そんな発想もあります。また、それが逆に嫌で、やはり家まで届けて欲しいとなれば、コンビニを起点に家まで配送するサービスも考えられます。
その場合、コンビニが半径300mの存在から半径0mの存在になります。例えば、一部のコンビニでは介護食などの宅配サービスを実施していますが、玄関の中に入れるサービスが定着すると、次に家庭用品で必要なモノを宅配する。徐々に生活に必要な全てをコンビニが宅配する。そんな取り込みも十分に可能です。
となると、コンビニで弱いのが現在のコンタクトポイント。接客部分です。多くのコンビニがパートやアルバイトを活用して、人件費コストを下げていますが、生活の一部に溶け込ませ、かつ日常生活にもっと入り込むのであれば、例えばコンシェルジュのように優秀なスタッフが半径300mの住人のあらゆる生活の要望を伺う。などのサービスがあっても良いかもしれません。
近所の冷蔵庫というポジションから始まったコンビニ。今後はもっと生活に入り込んだ仕掛けを行なってくるでしょう。或いは、もう気が付かないうちにコンビニの存在が無いと生きていけない社会になっているかもしれません。
参照:コンビニエンスストア利用実態調査
http://www.maruha-nichiro.co.jp/news_center/release/files/20130627_cvs_cyousa_2013.pdf