早嶋です。
サハリンのLNG開発への投資が活発になってきています。森元首相のロシア訪問で平和条約及び北方領土問題の解決への下準備がすすんでいます。この流れ出は今後の安部首相とプーチン大統領との平和条約調印式が絵に浮かびますね。
その結果、ロシアとのビザの簡素化、交流の活発化、ビジネスチャンスの拡大となると思います。ロシア人は旅行好きとして知られる国民ですから、観光事業に関しても明るいニュースになるでしょう。
私のロシアのイメージです。前職の先輩がロシア語が担当で、ロシア支社長でもあったので、時々ロシアの方々とのミーティングに参加していました。その時の印象は、真面目で繊細。商談の後やスケジュールの詰めが非常に慎重。一方、ロシアの方々は日本に対して、仕事がやりやすく親切で便利で清潔だという印象を持たれていました。
休日は何度か秋葉原や浅草に案内して、日本の古い文化と新しい文化の融合に感嘆していました。寿司も良く召し上がり、英語の発音はRを強く舌を巻いて発音する特徴がありました。
ロシアと言えば、製薬会社の友人との話を思い出しました。薬の種になる化合物サプライヤーはロシアなど旧共産圏で合成技術が蓄積された背景があることから、化合物ライブラリーのサプライヤーと言えばロシア・ウクライナだそうです。
旧共産圏では、化学兵器などの開発を主目的とし多様な化合物合成技術が発展した、これが化合物サプライヤーにつながる背景だと思います。旧共産圏はロシアによる支配体制を磐石にするため、加盟国それぞれに特定の産業を担わせ、
その圏内ではじめて経済が成り立つ互助制度のような政策をとっていました。
例えば、旧東独は機械、ブルガリアは農業、ハンガリーは化学といった具合です。これによって、各国が自立できないように管理していたようです。
化学に関しては、ロシア、ウクライナ、ハンガリーが担っていました。ロシアには100以上の化学関連の研究施設があり、それぞれで合成した多種多様な化合物を保管していたところ、ソ連崩壊により経済的に困窮、そこに西側で開発されたHTS技術(High throughput screening)により一気に数千~数万化合物をスクリーニングできるようになった。そのため、そこに旧共産圏の化合物がライブラリーとして形成されたようです。一方で、もともとが創薬用途でないため、薬にあんるための条件として、ふさわしくない構造も多く含まれていると聞きました。
80年代後半、日本では数社の商社がこれに目をつけ、ロシアから輸入するビジネスを始めます。以来、日本の大手を
中心に製薬企業は自社の化合物ライブラリーの整備を進め、現在では各社50から-200万種類を収集している。すでに、飽和状態にあるそうです。
アカデミアの世界でも、東大化合物ライブラリー機構が20万種ほど集め、研究用にデータの共有を条件として一般にも公開されています。
製薬会社は、ヒットしてからの特許性に注目して、他社が持っていないような化合物を如何に集めるかに注力しているそうです。