早嶋です。
SXSWでも相当話題になっているグーグルグラス。非常にイノベーティブな提案ですよね。これに関して、運転中の着用を禁止する州法改正提案がされています。イノベーティブな商品の出現を歓迎しない組織が必ず出てくる。これも興味深いですね。利用にあたっては議論がなされるでしょうが、ドラゴンボールのすカウンターが実現の世界になっている。素晴らしいですね。
参照:ついにベールを脱いだ噂のグーグルメガネ型端末プロジェクトグラス
参照: 運転中の「グーグル・グラス」装着を禁止する州法改正を提案
http://www.cnn.co.jp/tech/35030030.html
参照:「スマホの次」 グーグルは眼鏡、アップルは…
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2102U_R20C13A3000000/
参照:ニュース – Google、SXSWでGoogle GlassのAPI仕様について詳細を説明
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130312/462713/
近年、このようなイノベーティブな商品は米国企業が多いですよね。特にgoogleのように20%ルールなどを設けて、リソースの確保の義務付けと、そこでの成果も評価する仕組みの両輪で設計されている。このような人事制度は素晴らしいですよね。企業は一つの商品に対して継続的な技術追求を行いますが、この制度は敢えて破壊的な技術を考えだす時間を与えている。その着目点も素晴らしい。
ーー引用
そもそもGoogleの「20%ルール」は義務であり,その成果は人事評価の対象となるものだ。つまりGoogleは真剣に20%からの革新的イノベーションを期待しているのだ。そして「本業以外の業務」の意味するところは,既存ビジネスモデルや製品の破壊を暗黙的に意図している。シンプルに言うと,Googleは8割のパワーで「持続的イノベーション」を開発し,2割のパワーで「破壊的イノベーション」を創造しているわけだ。
参照:Googleは20%ルールによってイノベーションのジレンマを回避している
http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2009/12/google20-9d35.html
ーー終了
Googleもですが、将来の期待性に対して、企業のイメージを創りだすセンスも真似したいですね。アップルもクラウドの発想を誰よりも上手くエンドユーザーに取り入れてビジネスモデルをつくっています。クラウド自体の発想は随分前にありましたが、顧客に自然に取り入れるセンスは抜群でした。この手法はB2CのみならずB2Bにも重要ですね。コーニングというガラスメーカーのイメージビデオは一般消費者向けではない部品メーカーにもかかわらず、その用途や使途をかっこ良く伝えています。
参照:コーニング社
日本もスマートグリッド、スマートシティ、スマートハウスなど、素晴らしいコンセプトが山のようにあるのに、直観的にワクワク伝わるプレゼンが皆無です。ぐぐっても何か小難しい。おそらくその発想の発端が未だに商品にあって、最終消費者まで視点が届いていないからでしょう。
上記で紹介した企業や商品は、製品やサービスそのものを描写宣伝するのではなく、ライフスタイルを提案しています。従って、余計な言葉や文字情報を排除して受け取る側の創造力をふくらませる余地をたくさん残しています。楠木さんのストーリーとしての競争戦略ではないですが、コンセプトが限界まで練られると、今度は輪郭がかってに浮かび上がってストーリーがドンドン広がっていくのでしょう。結局、戦略立案の分野においてもシンプルに表現することの重要性が今後も求められるのでしょうね。そういう意味で、企業にクリエーターを確保することは、重要な資源戦略の一つとなる。
ところで、ハイコンテクストな文化を持って雰囲気で分かり合える日本がこのような手法が苦手で、ローコンテクストでなんでも言葉で明言するアメリカが得意というのは不思議ですね。自分が伝える時は雰囲気で伝えるのに、媒体を介すとローコンテクストになってしまう・・・。いっそのこと、アニメのクリエーターに商品の説明をして、自社のPRを考えてもらう、など、これまでのやり方を変えてみるのも良いと思います。ハリウッド映画で将来の描写はとても旨い一方、日本のマンガ文化も見る側に考えさせるテクニックが沢山つまっていますから。
今回はだいぶ発散しました。