早嶋です。
半年から1年かけて研修とコンサルを足して2で割ったような取り組みをしています。実際の企業の経営課題に対して、第一線の主力メンバーとインプットとアウトプットを交えながら、最終的には経営陣に解決策を事業シナリオとして提示する。こんなワークショップです。提案された内容の幾つかは実際に現在進行形でビジネスとして成り立っています。
そんな中で感じることが、初めの一歩の読みが足りないことです。時としてプランは壮大で大きな夢を含んでいます。悪いことではありませんが、そのシナリオに結びつく初めの一歩がありません。イメージできません。いきなり莫大な資金を投入して大規模に実験しようというシナリオが多く散見されます。
私は思います。どのような案件であれ、まずは小さくても事例を作ることです。起業する場合も、新規ビジネスでも、事業のテコ入れでも。そうしなければ役員の反応や投資家の反応は鈍いものになるでしょう。小さくても実際にそのシナリオを実現していれば様々な課題と可能性がみえてきます。明らかにそのシナリオを達成する確度が変わり、利害関係者からの反応も変わるでしょう。
百聞は一見にしかず、というように、一目見せると一気に話が進むこともあります。また、極度の誤解やすれ違いを防ぐこともできます。文章や言葉によるコミュニケーションは曖昧で、聞き手それぞれが異なるコンテクストで想像します。日本人はハイコンテクストなので、分かった気になることが多いというのもあって、イメージの共有はとても重要なのかも知れません。
勤めていた時に、広告代理店の提案を見て、いつも関心していたのを思い出します。その代理店の担当者は常に、資料やアイデアなどの概念を目に見える方法で訴求していました。新しいサービスの提案であっても、実際に簡単なプロトタイプを作ってプレゼンしていました。これによって、クライアント側としても明確なフィードバックが出せたと思います。
構想や企画であっても視覚化して伝えることは極めて重要なスキルだと思います。プロトタイプの完成度は決して高くなくて良いと思います。しかし、そのステップを行うことで確実に自分が考えているビジネスのシナリオに筋が見え始めてくるのです。