早嶋です。
中小企業金融円滑化法(モラトリアム法)が3月で終了します。自民党の英断だと思います。が、この結果、中小企業に破綻する先が徐々に出てくることになります。30万から40万社の中小企業が活用し、5万から6万社が事業再生が必要と言われています。
金融円滑化法下の貸出条件緩和債権(不良債権)については「中小企業が条件変更等を行う際、経営再建計画等がなくても、最長1年以内に計画等を策定できる見込みがあれば、不良債権とならない」とされていました。しかし、これも期限終了後には金融機関に不良債権とみなされる可能性が高いと思います。
参照:http://j-net21.smrj.go.jp/well/qa/entry/834.html
つまり、経営の厳しい企業側にとって条件変更が出来なくなるために手元資金が枯渇し倒産ならざるを得ないということです。業界筋の予測では今後、これらの不良債権は消費者金融に移管する可能性があるとのこと。金融庁が消費者金融の債権回収力を活用する意図が背景です。因果関係をどう捉えるかは別として、現在、消費者金融の株価が上昇しています。また、政府としても7月の参院選前に経済情勢を急激に悪化させるわけにはいかないので辻褄はあいますね。
政府としても、中小企業の債権処理による経済の落ち込みと景気活性化の金融財政政策、円安政策をどのようにうまくバランスをとるか、選挙までの短期間も非常に重要な局面と捉えているでしょう。