早嶋です。
マーケティングにおいて価格設定は企業の売上と利益を確保する重要な戦略のひとつ。しかし、実際に価格をつけるとすると非常に悩ましい意思決定です。安すぎれば、販売数は伸びても利益を失うことになりますし、高すぎると利益はでるけれども販売数が伸びない。しかも一度設定してしまえば、価格は安くすることは出来ても高くいただくことは難しくなる。
そんなとき、顧客は自分の考えを分かっていないし、自分が分かっていることをいわない、しかも言ったとしてもその通りに実行しない。そんなことを考えて見たらどうでしょう。つまり顧客に価格を聞いても、その時の手法や質問の仕方によって、かえってくる答えが全く異なってくるということを理解します。
仮に商品の価値について、重厚な会議室で質問をする時と、街角街頭インタビューで調査したときは、前者が価値が高くなることが推測できます。もちろん質問の仕方ひとつでも話しは変わってきます。ということは、ほとんどの人が実際は何かに強いこだわりがあるわけではなく、いつも買っている商品さえ覚えていない可能性があるのです。そのため質問の仕方や場所を変えることで、答えは簡単に変わってします。極端な話、開発者や提供者が欲しい答えを言わせることだってできるのです。
だったら、そんなに気にしないでランダムに顧客の考えを集めて整理することをおすすめします。顧客の無意識を意識的に分ける作業です。例えば、200人くらいに商品に関するアンケートや調査を取ったとします。その中で、該当する商品に抵抗なくしはらうコストを整理してみます。例えば、30円以下のグループ、100円前後のグループ、150円から200円のグループ、300円から500円のグループと大きな塊にワケられることが多々あります。このような作業をセグメンテーションと言います。そして、わかれた価格帯を答えた顧客の属性を調べて、今度は特徴を見出していきます。
セグメンテーションを行うことで、潜在顧客の価格に対しての感度、ここでは支払っても良いという金額を分析できることができるようになります。通常、このような調査をサンプル数100から200以上で行うと、必ずいくつかの価格グループに分けることができます。出来上がったセグメントを幾つか俯瞰して、まずは利益を割る価格帯を確認します。仮にマイナスになるのであれば、その商品をその価格で半ビアすると確実に利益が確保出来ません。ある程度の利益の確保ラインがその時点で無ければ、商品を安くしたり、別のポジショニングを検討する必要があります。
一方、自分達の商品が他社や他の代替品と比較して特徴がない場合は、セグメントワケした価格帯の中間程度を狙う。特に特徴がある場合はセグメントした上位の価格帯に設定する。など、セグメンテーションの結果を価格設定の参考に使用する手法です。