早嶋です。
キリンHDが海外事業苦戦のため国内事業回帰を進めるというニュースが出ています。国内市場の大きな成長が見込めない中、国内市場回帰を進めるという内容。キリンHDの三宅社長は「グローバル経営力の不足は率直に反省しないといけない」と認めているとのことです。
しかし、この報道、過ちがあると思います。ずばり、キリンHDが海外事業苦戦のため国内事業回帰を進めるという点です。関係筋に確認しました。すると、メディアとキリンとのコミュニケーション不足と。
キリン株式会社の国内主要事業は、キリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンです。この3つを集めた会社をつくったことでそこの社長が国内にも資源を配分していく、と強く言っていることがメディアには国内事業回避と反映されたようです。ここにはホールディング体制のメディアコミュニケーションの難しさがありますね。
キリンのWebで発表している注記経営計画は以下の通りです。
○今後、3年間の利益ドライバーはあくまで海外
※3年間の営業利益増分250億円(1550→1800)の内、8割は海外(豪州+ブラジル)と明言
○投資先の成長ステージに合わせた収益拡大を見込む
※大型買収案件は一段落していますが、既存アセットを更に強化し、収益拡大を目指す
○上記方向性のもと、国内は中長期的な再成長にむけて総合飲料一体となり時間をかけて取り組む
このような内容がメディアでは国内回帰、海外事業苦戦のため!と報道されるのは理解に苦しみますね。