早嶋です。
以下の問題を直感で答えて見て下さい。
バットとボールは合わせて1ドル10セントです。
バットはボールより1ドル高いです。
ではボールはいくらでしょうか?
おそらく、数字が閃いたと思います。10、つまり10セントと。この問題の特徴は直ぐに答えが思いつくことですが、実際は間違っていることです。実際に検算すると間違いだと直ぐに分かりますね。仮にボールが10セントだったら1ドル高いバットは1ドル10セントになり、合計が1ドル20セントになります。直ぐに間違いだとわかるのに、直感の世界では10セントがちらついてしまう。
人の思考には速い思考と遅い思考が存在します。速い思考は自動的に高速で脳が判断する。努力は不要でストレスもかからない。そして自分で脳をコントロールしている感覚は無い。一方、遅い思考は、複雑な計算など意図的に脳を使わないと考えを導き出せない。困難な知的活動のため脳がストレスを感じることもあります。
前者は、発想とかアイデアが出る瞬間のようなもので、後者は論理的な思考のようなものです。本来、遅い思考の役割は、速い思考が提案した考えや行動を監視したり、制御することです。速い思考の提案を一部許可して行動を許したり、逆に残りを却下して修正を行ったりする役割です。
しかし、多くの場合、速い思考を遅い思考で検証する作業は、やや脳に負担をかけるため、場合によっては無視されることもあります。遅い思考が怠けると、先入観や思い込みによる間違いを犯してしまうのです。