早嶋です。
ユニクロが展開する発熱保温肌着の代名詞、ヒートテック。2012年度は前年度の販売枚数の3割増しになる1億3000万枚。これまでの店舗に加えて、駅、空港と人が移動する起点となるロケーションに出店を加速して、購買する機会を増やしています。ヒートテックは毎年機能を増やしており、今回は余分な湿気を放出機能を備えています。
開発と生産は東レとの共同作業で、販売開始10年目で累計3億枚を超える販売を達成。2012年度は去年が10%程度だった海外比率を15%に高め、徐々に海外での展開を強めています。
一方で、無印良品が展開する素材は天然。高品質、高いコスパ、シンプルなデザインの統一、選べる素材。ヒートテックのような合成繊維が席巻する中、天然素材の見直しが2013年は加速されると思います。これは確固たるデータに基づくものではなく、感覚的な推測です。
ヒートテックが世の中に出て10年。累計販売で3億枚。一人が2枚持っている計算。仮に日本人の半数が使用しているとすると市場は6000万人。この場合、一人平均5枚。3割の日本人が使用しているとすると一人平均8枚。実際、私の場合は、タンスの中を見てみるとヒートテックのタグが付くTシャツや長袖シャツが10枚以上は入っています。出でし5年頃は毎年追加して購入していましたが、近年は購入しても年に1枚程度。
近年、加えて、他の流通大手や衣料メーカーが同様の機能性下着を追従して販売しています。これまで勘案すると更に多い枚数が消費者に行き渡っている仮説が成り立ちます。つまり、ヒートテックの成長曲線は成長好機から成熟期に突入してきたのです。これらを総合して考えると、ヒートテックを含めた商品の売れ筋は良くてステイ止まりという事が言えると思います。
そこに目をつけたのでしょう。去年の秋頃より、肌着メーカー各社が天然素材に着目しています。発熱する機能下着のクレームに「体から蒸発する水分を吸収して熱に変えて放出するため、皮膚が乾燥する。」というのが多いようです。これを受けて、ヒートテックも余分な湿度を放出するのを抑えた機能を追加しています。しかし、このようなクレームが多いというのは「合成は乾燥する、天然素材がいい」という感覚的なイメージを強化していることにもつながります。
そこに、日本は古来から湿潤な気候で、その風土に合わせて天然素材を使ってきました。なんて謳い文句が出てくれば、今度は天然素材が再び注目されるのではないでしょうか。もちろん、企業としては合成が売れても天然が売れても良いと思います。しかし昨年ころから大きな振り子の向きが変わり始め、今年から徐々に天然素材にフォーカスを当てて、消費者の消費を換気しようね!なんて行動をしかけているのかも知れません。
あくまで超感覚的な個人のコメントでした。
参照:日経ビジネスオンライン 「ヒートテック」はまだまだ売れるか、合繊主体の保温肌着の限界(2012年10月23日(火))
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121022/238403/?P=1