早嶋です。
経営の世界に女性の活躍が目立ちます。しかし、全体の比率を比較するとまだまだです。以下は、国際女性経営幹部協会からのデータです。男性と女性の比率が近い国はノルウェーで、次いでスウェーデンと北欧の国が目立ちます。一方、日本や韓国は2%以下で、まだまだ経営の世界は男性のイメージが強いことがわかります。
(出所:国際女性経営幹部協会、日経新聞2011.8.12経済教室)
女性役員比率の国別ランキング
1 ノルウェー 44.2%
2 スウェーデン 21.9
3 ブルガリア 17.0
4 ラトビア 17.0
5 フィンランド 16.8
6 米国 15.2
7 クロアチア 15.0
8 リトアニア 15.0
9 カナダ 14.0
10 デンマーク 12.5
37 韓国 1.5
38 日本 1.4
39 バーレーン 1.0
40 アラブ首長国連邦 0.8
41 カタール 0.3
42 サウジアラビア 0.1
42カ国平均 8.8
(出所:国際女性経営幹部協会、日経新聞2011.8.12経済教室)
例えば、ダウ平均採用銘柄の女性CEOは4名。日本での女性さy超の上場企業は29社で、東証の上場企業数の約1.2%なので、上記の統計とほぼ同数です。
ダウ平均採用銘柄の女性CEOは4人
http://plaza.rakuten.co.jp/gonchan02/diary/201110270000/
日本では、女性社長の上場企業は29社、東証の上場企業数の約1.2%
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1011/10/news035.html
以前、コンサルの仕事をさせて頂いた企業は女性CEOでした。その会社では女性社員の能力・キャリア開発の支援が他の会社よりも積極的だったのを覚えています。女性が活躍できる環境と体制を推進し、女性リーダー推進室という部隊が整備されていました。
知人がデンマークの企業に勤めていたので話を聞いたことがあります。その企業でも女性リーダーを作るということで、良く女性リーダー研修を行なっているそうです。しかし、各国のディレクターの考え方がバラバラで浸透しにくいという課題があるようです。「なぜ、女性を特別に扱う必要があるのか?」と。「逆差別だ」と。女性先進企業であっても解決が難しく、実行するハードルが意外と高いということでしょう。
ただ、近年の技術の発展によって、勤務形態が変化してきました。3Dや他のデジタル技術を使い、在宅勤務の出社する勤務携帯の在り方にギャップをなくす取り組みが進んでいます。結果、子育てを抱えた出産後の社員でも徐々に職を続ける方々が増えています。
企業のIR担当者と女性と経営という点で議論したことがあります。やはり、近年、IRと言う観点でも重要視されている問題の1つが女性と経営です。日本では馴染みは薄いのですが、欧州ではESGが企業価値を測る新しい基準ということで浸透し始めています。
ESGはE(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)の略で、これを重視している投資家が増加しているのです。ということは企業も対応する必要がましてきます。そのIR担当者は、次のようにいっていました。
IRとして議決権行使を行ってもらうために投資家周りを例年行う。その際に、ダイバーシティ関連の質問が増えていると。「女性の管理職の人数は?」 「女性の役員の数は?」「社外取締役に女性はいるか?」などです。
仮にこれらが彼ら彼女らの基準に沿っていなければ、議決権を行使しない、あるいは株主総会の決議事項に反対する投資家も増加しているそうです。また、極端な場合は、投資対象外として、そもそも面会も拒否される方々も出始めているそうです。
※EGSの参考記事
日経トレンディネット「機関投資家はESGを重視」
http://trendy.nikkeibp.co.jp/tvote/poll.jsp?MODE=RESULT&POLL_ID=20100325
NSJ日本証券新聞 「SRIはもう古い、世界の潮流はESG」
http://www.nsjournal.jp/column/detail.php?id=202443&dt=2010-03-19