戦略とは何ぞや?
一般的には、特定の目標をクリアするために、長期的な視点で達成するためのシナリオを考える技術や態度として説明されます。英語表記だとStrategy。こちらの対訳だと、特定の目的に対する枠組みや方向性です。従って、ことばそのものの理解としては方策がフィットするでしょう。
戦略立案ワークショップを行う時に、冒頭に同様の質問を投げかけます。すると上述した内容に近い考え方が出てきます。しかし、どれも目的があることを大前提にしています。その目的を達成するために、自分たちが何をするかを考えるなどです。そこで、問います?その目的を作るヒトは誰ですか?と。
企業の規模が大きくなればなるほど、誰が作るのか?見えなくなります。ってことは、与えられた目的を大前提に実務をこなしているのです。逆に言えば、目標が正しければ、現状とのギャップを比較して、何をするのか?というシナリオを考えだすことができ、実際に実行します。方向性が間違っていなければ業績が向上します。この繰り返しは、大企業の社員であれば日常的に行っていることでしょう。
しかし、考えてみて下さい。その方向性は本当に正しいのか?と言うことを。
過去に、コダックという会社がありました。富士写真フィルムが当時、写真を中心としたビジネスを行っていた時の最大の競合相手です。10年前、コダックは写真を更に深堀する意思決定を行い、富士写真フィルムは社名から写真を取る意思決定を行いました。結果、片方はチャプターイレブン。片方は超優良企業。どちらの企業に勤めていた社員も超一流の人材だったことでしょう。しかし、片方の会社はトップが示した方向がまずかった結果、時代についていくことに失敗したのです。
戦略とは、目的を達成するためにあれこれとそのシナリオを考えて行くことですが、最も大切なことは、何をするのか!という方向性を定めることなのです。トップの人間だけが考えるのも限界があります。日頃から末端の社員であれ、会社の大きな方向性を意識して、本当に正しいのか?という議論を組織で繰り返し実施することは、とても大切なことだと思います。