企業のゴールは自社のミッションやビジョンを達成することで、これは永続的な命題です。従って、そにれ結びつくための目標が必要です。例えば3年とか5年とか。時間の感覚は相対的なものなので中期や長期をどこまでイメージするかは経営者の判断ですが、直近数ヶ月だけをみて経営するのではなく、ある程度長期的な目標を持って取り組むことが大切です。
しかし、実際は短期的な数字を見る程度で長期的に、或は将来的にどうしたい!ということを明らかにしてる経営者は意外にも少ないと感じます。本日、大分にて日本生命主催のM&Aセミナーを行ってきました。経営者という立場で参加されていた方々は、皆後継者がいない、或は自分がどのように会社を離れているのか?そのシナリオを考えていない、という方々が多かったです。
会社のゴールがミッションやビジョンの達成とするのならば、企業の寿命は経営者一人よりも遥かに長いです。従って、会社が調子が良いうちに、或は元気なうちに、自分が会社から離れるイメージを持つことは大切です。このような考えは出口戦略と言いますが、日本の経営者にとって馴染みが薄いように感じます。考えてみれば納得です。企業の3年とか5年先を考えて経営する習慣が無ければ、自分がリタイアした後のことなど、とても難しいことでしょう。
しかし、大企業では優秀な社員や、次期社長候補が沢山居るでしょうが、中小企業は状況が異なります。経営者がワンマンで行っている場合、社員に継承したくても出来ません。ワンマンすぎて社員が考えないまま過ごしていて、とても経営など出来きる素質がありません。仮に優秀な素質の社員が居たとしても、社長がその意志がなく、時期社長としてのトレーニングを行わないので、急に引き継ぐことも出来ません。仮に、親族内で承継しようとしても、出口のことを考えていないので、他の親族も既に自分での仕事を持っていて、今更経営者になることを考えていません。
中小企業と言っても、3億円程度の売上があれば、役員報酬として2000万円前後を毎年もらうことになります。この位のお金があれば子息子女は結構な教育を受けさせることが出来ます。実際、子供が優秀すぎて父親の会社を継ぐことに興味が無いケースも多々あります。何よりも父と子で会社を将来次いで欲しい!などという会話が皆無ですから、子供は自分の夢のために既に突き進んでいるのです。
中小企業の経営者の平均年齢は、現在で60歳といわれます。そして、会社をリタイアする平均年齢は67歳。この数字の意味する所は、今後、ますます後継者の問題が露呈するということです。中小企業の経営状態を調査する白書によれば、年間に7万件が後継者不在といる理由で廃業しています。日本全体の法人の数が450万から500万、廃業率が4%から5%と考えると、20万前後の企業が毎年廃業しています。となれば約3割強が後継者不在の廃業なのです。
この数字は、今後ますます増加することでしょう。
経営者の仕事。様々にありますが、自分が引退した後に、その会社をどうしたいのか?このことを考えることもリストアップしてみてください。