視点を変えると見え方が異なるものです。従って、問題を解決する時に、現象の確認や立場や視点など、全体感を持ってから考えることが大切です。
例えば、お金持ちから税を多めにとろう!という考え方があります。しかし、ここで言うお金持ちも高額所得者なのか?資産家なのか?という視点によって全く異なった概念になります。ある期間(通常は1年間に着目するでしょうが)に稼ぎだす所得が他者と比較して相対的に高いヒトが高額所得者です。これはフローが多いと表現出来ます。一方、土地や不動産などある時点で他者と比較して相対的に多い資産を持っているヒトが資産家です。これはストックが多いと表現出来ます。
フローとストックは、どちらもデータを表す言葉ですが、片方が期間、片方は瞬間と、異なる視点から見ているデータであることが分かります。既に仕事をしていないでフローは少ないけれどストックで食べているヒトは、フローの視点で言えば、お金持ちとは言えません。高齢者に多いパターンです。一方、ばりばり働いていてフローは多いけれどもストックを持たないヒトは、ストックの視点で言えば、お金持ちとは言えません。
お金持ちから税金を取るという発想も、フローとストックのどちらをベースに議論をしているのか?見方によって、全く異なるヒトが税の対象になります。モノゴトを考える時に、視点を確認する、様々な視点から、或は様々な立場から同様の事象を検討することが大切です。