はったりをかます、という言葉。やや攻撃的な意味です。偶然でしょうか、魚のカマスも語呂が似ているせいか、攻撃的な魚です。
カマスと聞くと有名な実験を思い浮かべます。水槽にカマスと小魚を一緒に入れると獰猛なカマスが小魚を食べ散らかします。次に、同じ水槽にガラスのしきりをして、一方にカマス、一方に小魚をいれます。カマスから小魚は見えているので、始めのうちは攻撃を仕掛けます。しかし、毎回攻撃する度にガラスにあたって、痛い思いをします。すると、やがて攻撃を諦めます。そして、その瞬間にガラスのしきりをはずと。カマスはもう攻撃を仕掛けなくなるのです。
これと同じような実験にノミのジャンプがあります。ノミは体調からすると信じられないくらいのジャンプ力を有します。あんな小さいのに1メートルくらいはジャンプするのです。そのノミを捕まえて30cmの高さの箱に入れると、しばらくすると30cmの高さ以上のジャンプが出来なくなります。そして、そのノミを箱から出しても30cm以上飛べなくなります。
どちらの実験も自己制限。しかし。カマスの場合、別のカマスを同じ環境の水槽の中に入れると、そのカマスは小魚を攻撃します。それを見た始めのカマスも攻撃を開始します。ノミの場合も同じです。30cmしか飛べなくなったノミを元々1メートルくらい飛んでいるノミの脇に奥と、それを見てまた高くジャンプし始めるのです。
自分が置かれている立場が今が最高と考えると、それ以上を見なくなり、そこに制限がかかるのでしょう。武術の世界でも同様の話があります。今が一番強いと認知した瞬間から技が衰えていくのです。従って、自分はまだまだと常に技を磨いて行く。
先日は制約条件の話をしましたが、能力においては限界をもうけないことが自己の能力を高めるポイントでしょう。自分には限界がある!と考えた瞬間からその限界以上の自分は存在しなくなるのです。一方で、自分の限界を超えることを目標に設定した瞬間から限界を超えるように行動を取り続けるでしょう。結果、限界を超える確率がゼロから1に近づきます。
カマスやノミのように、自分に限界を感じた場合は、その限界を既に超えて活躍しているヒトを考えると、自分はまだまだ、と考え行動が伴うようになるのでしょう。そういう意味では様々なヒトに会い、そのヒトにしか持ち得ない力を見つけて、すごいなー、自分ももっと頑張ろう!と考える。これが自分の伸びしろを無限にするための秘訣かも知れません。