起業する時に考えた方が良いと思うこと。一番はそのビジネスを行う理由です。何故、自分が行うのか?何故、そのビジネスなのか?当たり前のようですが、起業することが目的になり、ビジネスが見えなくなる時が在るかもしれません。
起業ははじめから上手くいきません。そのとき、自分が継続的にそのビジネスに取り組めるのか?全てを犠牲にしてまでもまだそのビジネスをしたいと思えるか。そんな強い意志の源となる理由があることは、とっても重要です。
また、その理由が無いと、起業する際に様々なステークホルダーに対して説明することが出来ません。デッドであれ、イクイティであれ、一緒に始める仲間であれ。みんな、一様に、何故、あなたなの?って質問するでしょう。
幾つかの選択肢を並べて、例えば評価テーブルを作って、そのビジネスが一番合理的である理由を示す方法も在るでしょう。理詰めで行う方法です。また、強烈な宗教的なアプローチも考えられます。絶対的にそのビジネスをやる理由が理窟では説明できないけれども、精神的なアプローチのような強烈な意志があるとか。
どちらか、或は両方か。とにかく、Why?に対して、誰よりもアントレプレナーがさらりとお話できることはとっても重要です。論理的であろうが、感情的であろうが、話を聞いた相手が、なるほど!と思える根拠です。
多くの起業家と接していて、はじめに思いついたアイデアを具現化する際に、そのビジネスしか考えないことが多々あります。例えば、様々な選択肢を考えて、始めに思いついたアイデアを含めて多方面に検討することは必要だと思います。そのような検討を行った結果、やはりそのビジネスであった場合と、何も検討しないでそのビジネスを行う場合、結果同じことを行うにせよ、意味が異なってきます。
次に、大切なことはその思いをどのように形にするのかです。そのシナリオを個人の頭の中で考えるのは限界があります。文字や絵や図にして整理する。ビジネスプランや事業計画書と言われるものを参考にしながら、形式化する。頭で考えていただけでは見えなかったことが多々出てきます。そして、その部分を何度も何度も練り直していきます。その過程で様々な仮説が整理されます。そして出来上がったシナリオは形式値ですので、自分以外の他人に見せることで、情報を共有することができるようになります。
実際に初めて失敗すると結構な打撃です。しかしシナリオの上では何度も失敗することができます。様々な視点から検証して、シミュレーションを繰り替えすのです。もう良いだろうと思ったらいよいよ実行です。この時もおすすめする方法があります。小さく始めることです。
ビジネスの最終系はビジョンやミッションとのリンクになりますので壮大なものかも知れません。しかし、エベレストを登るための第一歩が分からなければ頂点を目指すことは出来ないでしょう。大きなシナリオを実現するための第一歩。その一歩目、最初の一日目、実現するための最初のステップ。ここのフェーズは具体的に考えてから実行すべきだと思います。
そして最後に、起業する時から、出口のことを考えておく。最終的にそのビジネスを売却するのか?上場したいのか?誰かに継承させるのか?シナリオを幾つかのフェーズに区切り、夫々のフェーズにすすむためのルールを決めておくことも大切です。ある一定の目標を達成できなければ、次にすすまない。或は撤退する。と言った具合です。
ネガティブな印象を得るかもしれません。しかし、リスクを最小限にするためには、やはりプラスとマイナスの両面を想定しておいた方が良いと思います。
上記のようなことをしっかり行っていてもスムーズにすすむものでは無い、そなんのが起業です。しかし、自分のビジョンを実現する経験は、どんなにつらくともそれはとってもファンタスティックな体験になるでしょう。