早嶋です。
組織において、実力さえあれば昇進できる!というのはどうでしょう?早嶋は否と考えます。実力も大切です。しかし、昇進を決定する意思決定者がその人に対してご満悦であれば、仕事の出来、不出来は関係ない場合もあります。極端な話、その意思決定者を不快にさせてしまった場合、実績が伴っていても昇進の可能性は極めて低いでしょう。
ご機嫌なんかとらなくても自ずと上に行ける、実力さえあればと考える人もいるでしょう。しかし、組織は人の感情が左右します。感情を無視した結果、折角のチャンスを逃し、キャリア形成に失敗することになるからです。仕事さえできればという発想は、自分の首を絞めています。
例えば考えてみて下さい。部下が何らかの仕事に優れていれば、上司はその部下を手放したくないと思うかも知れません。部下が上の仕事や別の部署での仕事を希望した場合、上司の返事はノーでしょう。部下がいなくなることで上司の仕事がスムーズに進まなくなる可能性があるからでです。
上司は部下の昇進や異動を考える際に、在職期間や学歴、残業時間や欠勤等を考慮して実績を勘定することは多くの研究で言われています。中には成績と無関係に学歴で判断する組織も目につきます。実力が全てではないのです。
能力が全てだ!と考えるのは少し無鉄砲です。では何が必要なのでしょうか?
先ずは、自分の存在に気づいてもらう事でしょう。そして、自分の成果が有利な条件で評価されるように働きかけます。上位の地位にふさわしい能力を有している事を認めてもらうのです。
気づかせる必要性です。上司はきっと自分の事をよく見てくれている!というのは妄想です。だって、上司は経営や他の事、そして何よりも自分のことで忙しいからです。上司は部下の仕事ぶりを見ていそうで見ていないかも知れません。しかるべき評価を得たいのであれば、自分が誰でどのような仕事に貢献しているのかを気づいてもらうことが大切です。
一番簡単な方法は上司と話をすることです。出る杭は打たれるは、キャリア形成の場合、当てはまりにくいです。組織にとけ込むのではなく、しっかりと自分の事をアピールするのです。どんなに優れていても上の人の目につかなければ認めてもらえません。単純接触効果というのがあります。人は、他の条件が同じだったら慣れ親しんだものを好む傾向です。たまたま知っている事に好意をもつという傾向は誰にでもあるでしょう。記憶に残れば、それだけ評価される確率は高まります。
自分に有利な評価基準とは何でしょうか?全てをパーフェクトにこなす事は大変なことです。しかし、自分の強みが組織から評価されるように働きかけることは可能です。自分の強みを良く知り、組織が向かう方向性を良く知り、互いが合致するためには何をするといいのか?よく考える事です。そうすることでライバルよりも自分を有利な立場に立たせることが可能になります。
どんなに優秀な成果をあげたとて、その成果が上司が気に入る内容、組織が向かうべき方向と合致していない、ずれていれば評価されません。それは独りよがりです。通常、期待できるほど評価されない理由の多くは、上司が重視することと、部下が重視することにギャップがある事です。従って、上司が何を重視するのか?よく理解しましょう。ここでも最も簡単な方法は、上司に直接質問することです。仕事で何を重視して、自分に何を期待しているのか?と。折に触れて質問しましょう。
その時に、自分が無能に思われないようにアドバイスを求める形式で質問するのも良いでしょう。力を貸して頂くように話すのもいいでしょう。人はこのように頼られると気分が良くなるものです。もちろん、そのように聞いたら、今度はその通りに行動する覚悟が必要です。
さらに大切なことは、自分の行っている仕事や態度、発言や行動は、上司にとってどのように感じられているのか?これを考えることも大切です。仮に上司が好意を持つものであれば、上司は気分が良くなるでしょう。上司の機嫌は先にあげたように上に行くステップとしてとても大切なのです。自分の成果に気を配ると同時に、上司との関係にも気を配りましょう。あいつは不快だ!なんて思われることが無いように心がけるのです。
組織に属していて上に行きたいならば、まずは上司が自分の昇進を望むように働きかけます。そのためにある程度の成果を上げることは大前提です。しかし重要なことは、その仕事を行ったのが自分であることを上司に知らせ、存在を認知してもらうことです。さらに好感を持ってもらうことも大切です。そのような政治的な活動も組織で上に立つには重要なのです。実力だけではどうにもならない世界なのです。極端な話、政治力が長けていれば実力が不要な時もあるのです。
うー、いやなら組織を離れるか、上に行く事をあきらめるか。選択肢は自分次第です。