早嶋です。
ニーズ的な商品とウォンツ的な商品。ニーズとは、最低限の欲求を満たすもの。のどが乾いた、お腹がすいた、眠たくなった等々。ヒトはこのような欲求を満たすことができれば、次は、より上位の欲求が芽生えます。それがウォンツです。冷たいプレモルが飲みたい、ASOのイタリアンが食べたい、テンピュールの枕で寝たい等々。
ニーズ的な欲求からウォンツ的な欲求に移行するとき、大きく2つのトリガーあります。学習と経験です。最低限の欲求が満たされると精神的にゆとりがでます。そして、何かのきっかけでそのことをさらに知りたい、追求したい、極めて見たいと考えるようになります。その場合、自分で本を読んだり、雑誌を眺めたり、Webで調べたり。調べることで知識が増し、さらに興味が深まると同時に、より高位の欲求へシフトしてウォンツが芽生えます。これが学習です。
もうひとつの経験。偶然か必然か。ヒトは、生活の中で様々な体験を積みます。偶然仕事先で訪れたイタリアン、ふとしたことで飲んだビールの味、暇つぶしでデパートに言ってたまたま知った枕の寝心地の良さ。一度経験し、その体験がすばらしいものだったら、その感情はポジティブな記憶として繰り返し再現されることでしょう。そして、学習とおなじように、これがトリガーになり、より高位の欲求へとシフトするのです。
世の中が成熟して行くと、極端に消費の仕方に分かれていきます。その課程を考えてみましょう。例えば、成長している時は、経済が活況でお金の流れも良いでしょう。これが相乗効果を生み、どんどん成長して生活水準は良くなるでしょう。従って、安くすませる!という発想は薄れます。しかし、次第に成熟して行くことで外的な商品から得られる満足があたりまえになってきます。なれです。そして、次々に新しい商品を買うこともなくなり、もし購入しても、昔のような商品から得られる満足度は低下するでしょう。そう、もはや外的な欲求では自身の満足を満たすことができなくなるのです。
そうなると人は外的な欲求から内的な欲求にシフトして行きます。その時に、その人にとってニーズ的な商品はどうなるでしょうか?ますます必要性のみで判断するのでよりコスト重視なるでしょう。従って、そのような商品を提供できる企業はコストリーダーシップ戦略で生き残った企業です。そう通常は規模の経済と経験経済を最大限に発揮できる企業ですので、業界の1位2位の企業が等が該当するでしょう。一方、その人にとってウォンツ的な商品は堂でしょうか?こちらは、既に満たされた環境の中でもあえて欲しい!という高位の欲求ですので、価格が高いから買わないという消費にはなりにくいです。従って、このような商品を提供できる企業は差別化戦略で戦う企業でしょう。人は喜んでお金を払ってその商品を手に入れたい!そう思わせる企業が確実に生き残ります。
今後、2極化はますます激しくなるでしょう。現在、中途半端なポジションをとっている企業。つまり、コストリーダーシップか差別化かがよく見えない企業、この企業は淘汰されて行くか、世の中から姿を消していく可能性が高いでしょう。