早嶋です。
集客から向客へ。
日経MJがまとめたアンケート調査です。2010年度の小売業調査ではネット販売に注力する企業の収益性の高さが目立っています。加えて、既存の店舗以外に直接消費者の自宅に商品を届けることや、繁華街などに従来よりも小さめの店舗を出店して、より顧客の利便性を高める傾向が観察されます。
従来、いかに集客を行うか?がテーマでしたが、もはや企業が顧客に如何にアプローチするのか?向客が一つのトレンドになりつつあります。
例えば、あるドラックストアでは、毎週介護施設へ送迎バスを送ります。そして、介護職員と共に、介護が必要な方々がドラックストアま出来て、実際にお買い物を楽しみます。通販などの便利な仕組みがありますが、実際の目で見て手にとってお買い物が出来ることが、介護が必要な方々の楽しみになっています。お買い物した商品は、送迎バスと共に、お家の前まで運ばれ、場合によっては、家の中まで届けてくれます。高齢者が増え、来店が減ったことによって、多くの企業はその地域から撤退しました。しかし、上記のドッグストアは、それを好機と捉え、送迎と配送をセットにしたのです。
例えば、ある薬局では、医者と薬剤師が薬の商法が必要な患者さんの自宅まで出張します。これまで薬局に薬をとりに行くことが常識でした。しかし、その常識を覆して、看護師、薬剤師、意思が患者宅に出向き、直接処方した薬を届けて、飲み方などを指導するのです。その際に、患者が日常的に必要とされる商品をリストにまとめ、患者さんに渡します。トイレットペーパーや調味料、コメや水などです。注文はファックスなどで受付、次に薬剤師が薬を届けるときに一緒に配達するという仕組みです。
例えば、ある美容室では、ワゴン車を改造して美容院を載せました。これまで来店するモデルだった美容室が、直接介護施設や病院まで移動します。普段寝たきりで移動できない患者さんや病院から出ることが難しい患者さんにヘアスタイルを提案するのです。高齢になっても、寝たきりでも、女性のファッションへの追求は衰えませんので、このような出張サービスは引手あまただそうです。
例えば、コンビニでも届けるサービスが始まります。過疎化が進んでいる山間の地域に、軽トラに商品を乗せて、顧客の元へ販売にいきます。近隣に食料品店がない高齢化して過疎化を迎えている地域にフォーカスして、おにぎりや弁当などを届けるサービスです。
このような背景には、少子高齢化に加えて、国の医療費抑制方針があるでしょう。今後は、在宅医療の需要も急増するので、顧客が来るのを待つモデルが、顧客へ向かうモデルが急増するでしょう。
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