TOTO歴史資料館に行ってきました。
こちらは別名トイレ博物館ともも呼ばれ、大正~昭和初期の衛生器具(大便器や初代ウォシュレット、小便器、各種水栓、浴槽)などが展示してあります。極めてまじめな博物館です。
TOTOの創業は1917年。創業前に欧米視察に行った際に海外で見た衛生器具の清潔さに衝撃を受けた創業者。彼らが、日本にまだ下水道が整備されていなかったこの時代に、国民の健康で文化的な生活向上を願い、水洗便器の製造に着手したのがTOTOの始まりです。
展示品の中に蛇口の由来となった共用栓なるものがありました。ライオンの口から水が出る共同の水道の蛇口です。当時欧米では、水道の蛇口に相当する部分はライオンの口などの装飾がされていました。これが日本に渡ってきて、しばらくそのモチーフが使われていたのですが、日本では水が龍ということで、次第に水道の口の部分が龍の口になってきました。ところが日本人は龍と蛇の違いをあまり意識していなかったのか、ある時、流の口が蛇の口になり、それが徐々に普及していきます。なんとこれから『蛇口』という言葉が生まれたそうです。
展示品の中に古いユニットバスがありました。東京オリンピックの施設は当時、急ピッチで進められます。そのため、トイレとお風呂を一つの塊として別の工場で作り、そのまま建物に施工するというアイデアが生まれました。これによって建設の時間をショートカットしたのです。このアイデアが現在のユニットバスになっています。
展示品の中には、両国国技館で使用されている力士用の便器がありました。通常のものよりも大きく、強度も強い使用です。確かに、普通のトイレではお相撲さんの体重は支えきることができないでしょうね。
最後にウォシュレット。早嶋これは日本の発明品だと思っていましたが、1970年代のアメリカから輸入したのが始まりだそうです。当時のアメリカではこれを医療機器として使われ痔に悩んでいる患者用の治療器具として使用されていました。これを現在のように普及させたのがTOTOだったのです。
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