あったらいいなを形にする、小林製薬。特徴は、何と言ってもネーミング。一目みてどのような商品なのかを想起できるような名前をつけている。これはとても素晴らしいセンスだと思います。
そんな小林製薬。「のどぬ~る」のブランドエクステンションを行っています。当初、「のどぬ~る」は、のどの炎症を治療する医薬品として商品化されました。2006年に風邪を予防するマスクを発売。のどと風邪のつながりで、「のどぬ~るぬれマスク」。2009年には新型インフルエンザの機会を得てマスク拡大の需要に子供用のマスクを展開しました。「のどぬ~るぬれマスクこどもマスク」。
調べてみると、「のどぬ~る」自体は1988年に商品化されています。殺菌と消毒効果のあるヨウ素溶液を麺棒で塗る事でのどの炎症や痛みを抑える商品でした。これが改良され1991年に今のスプレー式となり、1996年にスプレーのノズルを長くしてより使いやすい形状になり、売上を伸ばしました。コンビニでの販売をにらみ、2004年にはヨウ素よりも弱い消毒成分を使った医薬部外品を投入して販売拡大を続けます。
ただ市場としてはこのころから伸び悩みます。他社の類似品の参入と市場の成熟があったのでしょう。そこでブランドエクステンションして売上拡大を狙ったのが先に紹介した「のどぬ~るぬれマスク」でした。
消費者調査を繰り返した結果、風邪をひいたと意識した時にのどの痛みがつらいと感じる方が多かったのです。つまり、「のどぬ~る」と風邪の想起があった、という仮説です。
当初は別ブランドを検討したようですが、のどと風邪のつながりを考え、「のどぬ~る」のブランドで展開したのです。
早嶋聡史