写真はハマコーこと浜田幸一氏のつぶやきをTシャツにしたイメージです。ツイッタ―の活用は、去年の暮頃より爆発的に広まっています。特に飲食店での利用は、今後、ぐるなびにとっても脅威もいいところかもしれません。
先日、紹介した孫さんのプレゼンでもツイッタ―を例に出し、情報化の素晴らしさをプレゼンされていました。企業でも簡単にささやく事ができるので、情報収集から情報発信まで幅広い活用が考えられます。
早嶋もたまにつぶやいていますので、興味がある方はフォロー下さい。
写真はハマコーこと浜田幸一氏のつぶやきをTシャツにしたイメージです。ツイッタ―の活用は、去年の暮頃より爆発的に広まっています。特に飲食店での利用は、今後、ぐるなびにとっても脅威もいいところかもしれません。
先日、紹介した孫さんのプレゼンでもツイッタ―を例に出し、情報化の素晴らしさをプレゼンされていました。企業でも簡単にささやく事ができるので、情報収集から情報発信まで幅広い活用が考えられます。
早嶋もたまにつぶやいていますので、興味がある方はフォロー下さい。
世の中が成熟していくと、モノの価値が一様になる気分になります。正確に言えば、競合する商品の違いが良く分からなくなります。この場合、その違いは機能的な側面です。
例えば、テレビ。様々なメーカーがいくつかの方式で新商品を販売していますが、実際、ヤマダ電機などの売り場に行くと違いが分からなくて、インチの大きさが一緒だと、価格でその差を感じる事でしょう。もし、機能に違いを見出せなければ最も価格が安いテレビを選択する事でしょう。
例えば、洗濯機。最近流行りのドラム式洗濯機であっても、様々な仕様の商品が出ていますが、やはり売り場に行くとその違いが良く分からない。その場合、やはり価格で決定するでしょう。
これって、殆どの商品がコモディティー化していることになります。しかし、一方では同じ商品でも何か良いよね!と違いを出して売れている商品があります。しかも価格が安いのではなく、むしろ高くても売れる商品です。一体何が違うのでしょうか?
ひとつの仮説に機能的な側面の他に感性的な側面があるのかもしれません。何で、その商品がいいのですか?何かいいんだよね。こんな会話のやり取りは、感性的な訴求にひかれている証拠です。つまり、人間の脳に直接響いているのです。その結果、スペシャリティーな商品になっています。
今後の世の中、コモディティー化はますます盛んになり、価格競争に耐えられない企業は利益が圧迫されて生き残れないでしょう。一方で、スペシャリティーな商品を提供している企業は、今後も高い利益率を得ながら生き残る確率は高いままを維持する事が出来るでしょう。
こんなマーケティングが今後は主流になるでしょう。
早嶋聡史
先日行われた政策フォーラムの孫さんのプレゼン、感動的です。
●ネットビジネスイノベーション政策フォーラムのUstream映像
(孫社長のプレゼンは35分あたりから)
http://www.ustream.tv/recorded/4438919
見れない人のために、概要を。
—以下、聴きながらのメモです。参考まで—-
日本の成長戦略のために何をすると良いか?ITの確度から考える。
日本のGDPを10年後に650兆円にする、現在の国もヴィジョン。これは毎年、毎年3%の成長を行う事を前提としている。ビジョン実現のため、環境、健康、観光等々を現在の産業に追加してもギャップが70兆円あり、そのギャップを埋めるための解説が無い。
孫さんは情報立国としてこの70兆円のギャップを埋めるプランを提示している。ITは過去10年を見ても産業のなかで唯一伸びている。勝ちやすきに勝て。つまり、国も一番伸ばしやすいところを伸ばすべき。このギャップも情報立国となり埋められる。
80年代の日本は電子立国だった。最近は組み立ては中国、台湾、韓国に差を詰められ、むしろ逆転された。そこで今後10年は情報立国を目指す。
例えば、ツイッタ―は世界で1億人以上で利用されている。孫さんも12月のイブに始めて、初めてネットにふれた時の感動を味わった。ツイッタ―はオバマさん、総理、多くの人が活用している。
孫さんの最近のつぶやきに、30年後の教育は?があった。わずが1時間後に230件のコメントが集まった。のべで1000件ものコメントが集まった。1円もお金をかけないで多くの英知が集まっている現在を垣間見た。
呟きをまとめると、学校教育での情報活動が主訴。何故、義務教育を見直さなければならないのか?の理由も明確。初めての義務教育の見直しは明治5年。これは農耕社会から工業社会にパラダイムシフトを起こす次期。今は、工業社会から情報社会に変化している次期。このタイミングだからこそ、教育のあり方をゼロベースでシフトしなければならない。ポイントは暗記ではなく考える力を付ける教育。そして感動する教育。
工業社会では暗記で良かった。これからは暗記3割で思考が7割必要。これは情報は一瞬で検索できるようになったから。暗記するよりも早く素早く正確にしれる。知識を記憶に頼らなくなった部分、思考を働かせる事に主軸を置く。
そして、感動を伝える事に重視する。歴史の感動、社会の感動、自然科学の感動、仲間とともに力を合わせるときの感動。ぞくぞくする感動。教育で教える事は感動だ。丸暗記ではなくその知識をどう活用するのか?感動しながら身につけていく教育が大切。
感動を伝えるためには、紙に印字された情報ではなく、例えば電子教科書を使って教育を提供する。
今の技術があれば電子教科書は生徒一人に2万円程度で作れる。現在の1800万人の学生に国が配ったとしても3600億円のコストで賄える。これは八ツ場ダムの建設費4600億円よりもはるかに安い。しかも意義がある。ダムより、今後の将来に投資する事が国があるべき姿ではないか?コンクリートではなく、人に投資して、感動によって教育をする未来を作るほうがはるかに意義があるのではないか。
現在の教科書の予算は年間に400億円かけている。つまり、一度だけ3600億円の予算を使えば、1回分のダムを諦めれば、後は毎年の予算額で、新入生全員に対して毎年新機種の教科書を配る事が可能。
民主党の皆さん、ちまちまやらないで、構造的に継続的に大きく削減しましょう。例えば、リバースオークションによって構造的に20%、削減できる。これはリバースオークションにかける項目でも現在10兆円あるので毎年2兆円の削減になる。ちまちま事業仕分けをしなくても良くなる。
選挙もお金をかけずにオンラインで行うとよい。大事な事は選挙でもITを使えば双方向で同時に語り合える。電子集会ができる。だれでもが放送教区になれる。だれでもが自分の言論の自由が具現化できる。USTREAM。
我々が目指すべき次世代型産業構造は農業を単に補てん金でやるのではない。その体質を根底からレベルアップすること。この根底も情報国家が支える。知恵を使って改革を行う。
早嶋聡史
http://www.ustream.tv/recorded/4438919
早嶋です。
中国の検索大手、百度(バイドゥー)の中日駐在代表の陳氏のお話を聴く機会がありました。以下、その時のメモです。
【タイトル】中国市場とインターネットプロモーション手法、そしてこれから
【日時】2010年2月5日 19時30分~21時15分
【場所】アタッカーズ・ビジネススクール 100名
【インタビュー】
■少年時代~ビジネス
公務員の家庭に育つ。兄弟2人姉1人。アモイ。130万人都市。アモイ理工大学日本語学科。卒業後旅行会社へ。日本の現場を知る目的で日本に留学。百度との出会いは4年前、北京駐在中に応募。100人の応募で1人だけ。沖縄国際大学商学部経済学部、神戸大学経済学修士、中国との関係があるNTT日本法人営業部3年間、2000年に株式会社インデックス中国駐在首席代表、当時台湾戦略を打ち出していた。DAC(博報堂とADKの出資会社)北京現地法人COO、副社長。百度中国公司駐日主席代表。
ベンチャー、大企業、経営、ネット経験、40歳以下、日本と中国の両方を知っている。立ち上げが得意、過去に6社の立ち上げ。現在、観光庁の観光大使。
北京、上海、シンセンは、会社を作っても天塩に育てた社員がすぐにヘッドハントされる。アモイは会社が無い上、市が土地、建物を提供してくれる。ヘッドハントも少ない。日本と中国のWebマーケティング及び経営を得意とする。専門は日本語。
【講演】
■会社概要
エンジニアが唄い、受付が踊る、北京大学の体育館を借りて7500人で毎年パーティー。2時間30分。2時から開始。事業計画、社長スピーチ、等々後にパーティー。オンとオフの両方が出来なければ採用しない。平均年齢28歳。遊びながら仕事。仕事オンリーの人は世の中の感覚が分からない。プロで遊びが出来なければならない。毎年社長から社員を表彰。社長41歳。一体感を大切にしている会社。毎年、会社全員参加の文化祭で部署ごとに出し物を披露。優秀な芸には表彰。社長も自分からダンスを練習してタンゴを踊る会社。元気な会社。だからGoogleを駆逐した。
■ビジョン
2020年に二兆円、現在600億円。
■中国ビズの落とし穴
中国高官との人脈、パートナー選定の失敗
昔と違い、任期、情報化の流れで意味が薄れてくる。中国VIP接待と宴会作戦も同様。
日本のビジネスプランをそのまま中国に持ち込む
大問題。中国は激戦地、世界の企業、現地の企業が競争。コアのビジネスを持たないと勝負出来ない。
アドバイス
日本にいながら中国人へ商売をする発想
年間、100万人に来ている中国人に対して商売する。中国サイトを作って日本で商売をする。ネットのおかげでメールとサイトで商売が出来る。四億の人口に対してビジネスが可能。広告は百度で出す。行く前にWebでテストマーケティングして、現地に展開する。
既に成功を収めた企業、人物と組むことで成功の確率を上げる。
だまされた方が悪い、と言うのが中国。実績が無い人と組むのは難しい。ポイントは成功者、企業と組む。
■中国市場
近代化。2008年オリンピックを期に経済のパワーを獲得。マクロではGDPの成長。日本、インド、アメリカ、中国を比較して歴然。新車1300万円、贅沢品の消費年間4500億。ビザ、3カ月に4500件。銀座に観光バスで観光。
オバマ政権の中に重要ポスト2名が中国系。中国戦略に如何に力を入れているかが分かる。海外に行くと持ちだし金額が限れているがデビットカードを使って、無限に消費する。
GSP世界で2番目。米国交際保有額は1番目。中国企業のグローバル化。M&Aで中国の企業が日本、海外の企業を買収。ラオックスは全て免税店になり対象を中国からの観光客向けに。楽器ビジネスも。楽器を1階で売り、屋上にライブハウス。その映像を外の壁、ネットで放映。
味千ラーメン。日本のビジネスを中国でやってみた。中国で一番有名なラーメン。2007年香港で上場。やる気と専攻者のメリット。中国火鍋は、上海で流行っている店を日本に持ってきた。味千ラーメンの反対。
戦後50年の企業ばかりで新しい企業は日本にない。ヤフーやソフトバンクだけ。改革しないと難しい。
■中国のネット文化
2002年 5000万
2009年 三億 普及は30%程度 沿岸地域 若い人が多いが、30代、40代に伸びている。
■検索文化
中国では買い物する前に67%が検索している。アパレル、書籍、化粧品、日用雑貨などがWebで売れる。百度が首位。中国語は自然語を入れた検索で行う。キーワードで検索しない!中国のユーザーはわがまま、自分が入れたモノが出てこない場合は、コレはだめだ!と考えられチェンジされる。日本と違う。この発想は中国のみ。
中国の検索の仕方。I、われ、私、ぼく程度、中国は38パターンある!これを理解しなければ作れない!徹底的なユーザー思考。
■百度
百度は世界で3位、Google1位、Yahoo2位。中国では圧倒的。2005年にNASDAQにIPO。グローバル企業。時価総額で1.3兆円。楽天9500億。Yhaooで1.9兆。社外取で出井さん、ソニー。ブランド価値で3位の会社。世界で20位のブランド価値。
1日十億ページビュー。現在53個のプロダクト。コミュニティーを沢山つくることでスイッチを防ぐ。中国の人が誰でもいつでも欲しい情報を提供する!これがミッション。目が見えない人にも検索サービスを提供している。音声サービス。2年前から。
年寄り向けの検索もある。字が大きい、手書きOK、なども提供。百度は中国の社会の一部になっている。本社は北京。4000人。
■ビジネスモデル
ビジネスモデルは広告主から。百度に広告を出してきてもらう。1か月に二万人、沖縄の広告。楽天は国際配達の広告を百度に題している。中国ビジネスのプラットフォームという位置づけ!!!クライアント三十万社。
■今後
日本では知名度が低い。人材を集めている。社内は日本語。日本と中国企業の違いは中国は結果、日本人はプロセス。中国は商人、日本は職人・技術者。
人生で一番重要なのはお金ではなく時間。人生時間=365日×80年=29200日。人生1回しかないから目標を設定して企画して実行した方がよい!今やらないと時間が無くなる。人生を設計してデザインする。目標を持たない人は持たない人から利用される。チャンスは待つのではなく、自分で作る。本当の人脈は、相手にとって頼られる存在になる。これは自分の得意分野を1つ作る。相手から頼られる存在になる。自分から寄っていっても意味がない。
■成功の秘訣
・好きな事をする
・得意な事をする
・特化する
本を一万冊読むよりも歩く方が良い。歩くよりも、人と出会う方が良い。人と出会うよりも成功者と共に進む方がよい。成功者、素晴らしい経営者を選ぶことが成功の近道。
信:約束を守る
義:正しい事を行う
仁:相手の立場になって物事を考える
親孝行。実家にどの程度帰っているか?親孝行をしない人は社長の話を聴かない。同じ技術を持っていれば心、魂を磨く人が良い。社会貢献とオウム真理教の差はここにある。頭がいいだけではNG。
リーダーになる条件:レノボの社長
・組織を立てる
・戦略を作る
・チームを導く
つまり、正しい判断を行う
良い人材の条件
・パフォーマンスをだす
・会社の文化にあう
・学習能力が高い
これからはアジアの時代。早い段階から中国企業との付き合いを学べ。習得した方が良い。これからは中国とのコネクションが強い人間が強くなる。
■陳氏のポリシー
競合の会社に転職しない。キャリアを積むための転職。チャレンジ。ハングリー。仕事の中身が大切、会社の名前では無い。
■Q&A
Q:百度の会社の由来・想い
A:中国の漢詩
Q:楽天とのメリット
A:百度は日本のBTOCのノウハウを期待。中国のブランド力。相乗効果。
Q:楽天との合弁で作ったとき配送、代金回収での差別化は?
A:中国の物流は内陸出なければ、沿岸地域であれば整備されている。企業の体力を考えればパワーがある。価値があるため総脚力がある。シナジー効果は高い。
Q:昔の日本と今の日本
A:昔の人はハングリー精神。今の若者は体力が無い。日本は仕事が無いわけではなく、働きたい人がいないだけ。それなのに派遣切りの問題が如実。まだ、仕事を選んでいる印象がある。普通の人以上に苦労しなければ人の上に立つ理由は無い。壁にぶつかっていかにクリアするのか?すると成長出来る。人生は諦めた方が早い。楽。簡単。辞める。これは成長しない。環境が変わった。豊かになった。頑張らなくて良くなった。これは危険。
Q:日本人で足りないタレントは?
A:ハングリー精神。もっとやりたい。夢。成功願望。強い願望。強いミッション。世の中で一番いいサーチエンジンを作りたい!
A:中国にいる日本の企業で儲かっている企業は文句を言わない。中国は・・と言うのは自分の失敗を中国のせいにする。交渉の仕方は互いの企業に期待する事を初めから明らかにする。
A:百度の社員4000人、部長40人、最年少23歳、2年で。取締役10人。
現地の人が一番情報を持っている。中国で一番有名な企業はサムソン。徹底的な現地化。
Q:戦術
A:ユーザーからの支持。
Q:開発拠点としての中国
A:日系企業が出資する時の比率、ケースByケース。
早嶋です。
本日は、花王カスタマーマーケティング様にてマーケティングの研修でした。全4日間のカリキュラムの3日目。後1日ありますが、明日も頑張って下さい。お疲れさまでした!
香りの効果を存分に活用している商品に入浴剤があります。身体の健康をサポートする効果と心を癒す効果の2つがあります。
日本で入浴剤が販売され始めたのは明治の半ば頃よりで、庶民にとっては銭湯が主流で家庭のお風呂はまだまだ。家庭にお風呂が普及するのは高度成長時代、1960年代からです。そして、80年代、入浴剤にヒット商品が生まれます。花王のバブです。
有名な話ですが、過去売れたバブを並べると、実に地球2周半。炭酸ガスの効果、という位置づけで誰もが一度は使った事がある商品です。このバブ、発売当初からユズと森は大人気です。特に冬場はユズ、森。夏場は森、ユズの順に売れているようです。
5月5日は端午の節句、菖蒲湯に、当時は柚子湯が有名ですね。この風習がバブの順番を決めているのでしょう。習慣と香りが自然と消費者の体にしみ込んでいるのです。
さて、そんなバブもプロモーション時におけるメッセージが変遷しています。発売当初の80年半ばは、体力重視の時代だったのかも知れません。リゲインのCMでは24時間戦えますか?などのキャッチコピーが流行ります。バブも、帰宅後の疲れをいやすための商品として位置付けられます。しかし、近年は肉体疲労よりも精神的な気持ちの部分の疲れを取るという欲求が強くなっているのです。そのため、癒し効果を訴求する面が強くなっています。
疲労回復から心の癒しへ。CMでのメッセージも変遷しているのです。この変化を如実に表わしている商品が09年秋に発売された「気分で選べる香り詰め合わせ」のバブ新アソートです。香りによるリラクゼーションの効果を強く訴求しています。
バブと香り。目的は違ってきていますが、時代の変化によってその効果を最大限に活用している見事な組み合わせですね。
早嶋聡史
近年、照明効果をマーケティングに取り入れる取り組みが盛んになっています。
例えば、出張先で路地裏に明るい光がこうこうとしている赤ちょうちんにふらりと引き寄せられた事は無いでしょうか?
くらいところから、明るいところに引き寄せられる。サバンナ効果と呼ばれます。自然界の山の中で迷って、ウロウロ歩いていると、木と木との間に明るい光が見えてきた。ここに何かるのかな?生物のDNAに刷り込まれているのかも知れません。
逆に、明るいところから暗いところには中々入る勇気がありませんよね。生物にとって明るい場所は安心、暗い場所は不安として刷り込まれているのでしょう。
これを考えると、照明の如何によっては、マーケティングのツールとして取り入れる事が出来るかもしれません。
例えば、1)外にいる顧客を店内に引き寄せるための照明、2)店舗の奥に顧客を導入して、商品に近づいてもらうための照明、3)商品を手に取った時、その特徴が分かりやすく見せる照明。
1)の例は、コンビニが顕著です。世の中エコを叫んでいる中、夜中までこうこうと光りを照らしています。しかし、そのおかげか、1人でも店舗に入る勇気を無意識に提供しています。良く明るい光に吸い寄せられる昆虫がいますが、基本的な動作は人間とて同じなのです。
2)や3)の例は、ショッピングセンターや百貨店で良く観察できます。例えば店内の明るさを1という基準だとすると、ショウイウィンドウの照明は3~6倍の明るさです。これによって、歩いている顧客の目を引き付け商品に注目してもらうのです。
店舗のディスプレイは1.5~2倍の明るさです。そして、比較的店舗の奥は2~3倍の明るさにして、先ほどのサバンナ効果を利用しています。これによって、店舗の奥にまで足を延ばしてもらう作戦です。
照明だけでも、様々にかんがえられていますね。
早嶋聡史
香りとビジネスのあれこれです。
ロンドンの高級デパートハロッズでは、水着売り場にココナッツオイルの香りを放香しています。サンオイルの匂いを想起して夏のイメージを膨らませ、購買意欲が高まるのでしょう。同様に、ガーデニング売り場では瑞々しい芝生の香りを流しています。また、装飾品売り場ではザクロの香りを流しています。
アウトドア用品のノースフェースでは、入り口にヒノキとユーカリとローズマリーを独自にブレンドした香りを流しています。来店客が香りを嗅ぐ事で自然の中にいるような感じを得て、購買意欲を喚起させる目的です。
うなぎのかば焼きを食べる時、やはりあの焼き上がりの匂いが食欲を湧きたてます。焼き鳥や焼き肉も同様です。クレープ屋さんの前を通ると、香りがします。やはり、急に食欲が湧いて思わず買いたくなるかもしれません。
このような香りを購買する要因の1つとして取り入れるのは自然な取り組みですね。
香りの研究の中で、その香りと想起する対象物が一致する事が最も大切な要素の1つ、という報告がありました。例えば、家庭用洗剤に対して、それぞれレモンの香り、ココナッツの香り、香りなしを準備します。洗剤に香りを付けているだけですので効果は同じです。これを各グループに使用してその効果を聴いたところ、統計的優位な差でレモンの香りの洗剤が圧倒的に「良く落ちる!」と応えたそうです。洗剤の香りにレモンやかんきつ系の香りが多いのも、この理由でしょうか。
香りは、購買行動を喚起する機能もあるようです。例えば、心地よい香りは店舗の評価を高くする事がある、という事が実証されています。ラベンダー、ミント、ジンジャー、オレンジなどの香りを流した場合と流さなかった場合を比較して、店舗に対する評価、品ぞろえに対する評価、再来店意向などが著しく高くなる事が分かっています。
これらはギャンブルの世界にも応用されています。ある遊戯施設では、特定の香りを流した場合と流さない場合の平均的な売上に圧倒的な差が出る事を実験しています。実験ではある香りを流した場合、流さない時と比較して45%も売上が伸びた事が報告されています。驚くべき事実ですね。
香りは、上記のビジネスの世界以外にも有効な活用方法が期待されます。例えば、耳の遠い高齢者や視覚障害者などにたいしてです。警報ベルが聞こえない方のために、香りで危険を知らせるのです。例えば、火災報知機は音と光で警告しますが、そのかわりにワザビのツンとする香りを出す事によって警告するのです。この方法は脳に直接刺激を与えるため、健常者で寝ている人にも効果があることが報告されています。
香り。日本人は昔から香りにも趣を向けていましたが、感性が重要になってくる成熟社会では、その有効性が広範囲にわたって試されていくことでしょう。
早嶋聡史