じゃんけんの話です。
グーに勝つには何を出しますか?
チョキに勝つには何を出しますか?
パーに勝つには何を出しますか?
無論、グーにはパー、チョキにはグー、パーにはチョキを出すでしょう。じゃんけんで勝つための戦略は間違いなく、敵の出方を見て対応する、つまり敵の出方次第です。
これはマーケティングを考える上でも参考になるかも知れません。時に何が最良の戦略かは、敵の出方次第で変わるという事です。
しかし実際は、最善の策は1つしか存在しないがごとく考えられます。仮に敵が価格戦略を取り、価格をどんどん下げて来たとします。すると、その相手(つまり、あなた)はそれに応じてやはり価格を下げるという方法で望むでしょう。相手が取った最善の策よりも更に最善の策を!と考えるのです。
同じ戦略を敵よりも上手に実行すれば対応できる!一見、論理的ですが本当でしょうか?確かにヨットの首位の戦略は二番手が取った行動をまねている限り、抜かれる事はありません。
しかしマーケティングの発想は違います。敵が価格を下げたら、上げる事はできないだろうか?と発想します。つまり、じゃんけんの手の大局を考えるのです。
例えば、米国ではマクドナルドは子供むけの場所!という位置づけが定着していたとします。特に2歳時から6歳児の場所です。ドナルド、ハッピーセット、ブランコやら滑り台。米国のマクドナルドは遊園地のような演出をしている店舗が実に多いです。
では、2位のバーガーキングはどのようなポジションを取ると良かったでしょうか?例えば、じゃんけんに倣えば、大きくなったら行くお店、です。つまり、ハッピーセットを卒業したらバーガーキングに行こう!というポジションを取るのです。
しかし、実際のバーガーキングはマクドナルドの戦略を踏襲しました。マクドナルドよりも遊び場を広く取り、お子様向けのメニューの改善を図りました。敵が取った策は最善の策だ、それならば更に最善の策を繰り広げよう!という発想でした。
結果、何が起こったのか?バーガーキングのトップが何人も交代したことを見れば明らかです。
早嶋 聡史(はやしま さとし)
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